10月26日、ソウル市が「戦争と女性の人権博物館」建設を許可する決定を行い、翌27日には韓国国会で「日本軍『慰安婦』被害者の名誉回復のための公式謝罪および賠償を求める決議」が採択されました。また30日には、国連の自由権規約委員会が、「慰安婦」問題について、日本政府に対して、立法措置などを行い「慰安婦」被害者への公式謝罪、国家補償、歴史教育などをすることを勧告しました。これら一連の動きを私たちは重大なものとして受け止めました。 ※10/26ソウル市での博物館建設許可 ※10/27韓国国会決議 ※10/30国連自由権規約実行委員会の勧告 ところが、かねてよりソウルでの博物館建設に反対してきた韓国の独立運動団体「光復会」「殉国烈士遺族会」などが建設許可の撤回を求める記者会見を11月3日行うという動きがでました。これに対して、挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)とハルモニたちも記者会見を行うとともに、日本で「慰安婦」問題に関わっている諸団体から、緊急にソウル市に対して建設許可を撤回しないよう要請する必要があるとの認識から要請文を出しました。私たちリブ・イン・ピース☆9+25も、ハルモニ達の気持ちを踏みにじるようなこのような動きに厳しく対応し、ソウル市が断固として博物館建設に協力していくよう、この要請文の提出団体に名を連ねました。 博物館建設に対する「慰安婦」被害者たちの強い思いを改めて感じ、博物館の意義の理解を広げ、日本でのカンパ活動を一層強めていくつもりです。 2008年11月3日 [要請文]ソウル市は「戦争と女性の人権博物館」の建設許可を撤回しないよう求めます 金学順ハルモニが名乗り出られて今年で17年になります。この長い年月の間に、たくさんの日本軍「慰安婦」被害女性たちが名乗り出られました。そして、決して癒えることのない心の傷を抱えたまま辛い思いで証言を続けてこられました。現在も多くの被害女性たちが日本政府を告発し、謝罪と補償を求めて闘っています。 日本政府は17年たった今なお、公の謝罪・補償をしていません。それどころか日本社会では「『慰安婦』は商行為だった」などと、彼女たちを侮辱し存在を否定する勢力が根強く活動しています。日本の教科書からは「慰安婦」の文字が消えたのもそのためです。 私たちはこういった日本の政治状況に日々我慢のできない思いで過ごし、被害女性たちの名誉と尊厳の回復ために運動しています。各地方議会で決議を上げるよう働き掛ける一方、被害女性に対する謝罪と補償をもとめる立法措置を国会で行うよう、請願署名にも取り組んでいます。 被害女性たちが自分たちの被害体験と闘いを歴史に残したいと切望していると知ったとき、私たちはその実現のために働くことに何の躊躇も感じませんでした。そしてこれまで「戦争と女性の人権博物館」建設のための募金運動を展開し、そのために様々な企画に関わってきました。 先々月、私たちのメンバーが「戦争と女性の人権博物館」建設のためのチャリティーコンサートの募金を、韓国挺身隊問題対策協議会とハルモニたちにとどけました。そのさいに西大門独立公園にも赴きました。西大門刑務所で拷問され殺された独立運動闘士のことを知り、日帝の悪辣な蛮行を学びました。特に女性の闘士に対する日帝のひどい仕打ち(性拷問)には言葉を失いました。 しかし、それは「慰安婦」被害女性であるハルモニたちも同じことです。ハルモニたちは日帝支配下で日本軍の性奴隷にさせられ、抵抗した者は殺され、生き残った者は回復しがたい心の傷を抱えて解放後を生きてきました。彼女たちは再び自分たちのような体験を後世に味あわせまいという思いで、戦争の悲惨さ、平和の大切さを訴えるために、この17年間、そして今この瞬間も、日本政府を告発し闘っているのです。 「戦争と女性の人権博物館」は、本来であれば日本にこそ必要な施設と考えます。しかし残念ながら日本の政治状況では、その建設は現実的に困難です。私たちは日本で実現できない力不足を認めた上で、また独立遺功者団体の反対にもかかわらず建築許可をした英断に敬意を表しつつ、ソウル市に要請します。 「戦争と女性の人権博物館」は被害女性にとって必要な施設であるばかりか、日本に住む人々にとっても、また、次世代のためにも絶対に必要な施設です。 ソウル市は建設許可を撤回することなく、その実現に向けて引きつづき尽力されるよう求めます。 2008年11月2日 「慰安婦」決議の呼びかけに応える関西フォーラム実行委員会、在日の慰安婦裁判を支える会、リブ・イン・ピース☆9+25、つながるコンサート実行委員会、大阪大学付属病院看護師労働組合、ヨソンフェ大阪、軍事基地と女性ネットワーク、日本軍性奴隷問題の解決を求める会in大阪、平和都市豊中を考える会、教職員九条の会、軍事基地と女性ネットワーク、日本軍「慰安婦」問題に対して政府に誠実な対応を求める請願を実現する会、日本軍「慰安婦」被害女性と共に歩む大阪・神戸・阪神連絡会、狭山事件を考える市民の会:宝塚、劇団水曜日、「慰安婦」問題の解決を求める北摂ネットワーク(順不同)※決議の詳しい内容や「慰安婦」関連の情報は以下をご覧ください。 【緊急声明】11月3日 ソウル「戦争と女性の人権博物館」建設が危機に立たされています!!(「慰安婦」決議に応え 今こそ真の解決を!への外部リンク) [各団体等からだされた声明、要請文など] □【報道資料】光復会は、「戦争と女性の人権博物館」建設妨害活動を中断しなければならない(挺対協) □<挺対協声明書>光復会は[戦争と女性の人権博物館]建設妨害活動を中断しなければならない(挺対協) □私たちは「戦争と女性の人権博物館」建設を待ち望んでいます!!( 第9回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議日本実行委員会一同) □光複会はじめ32期独立運動関連団体向け要請書(戦争と女性人権博物館 海外建設委員長 梁澄子、方清子) □光復会は「戦争と女性の人権博物館」建設阻止活動をすぐに中止せよ(Corean Americans NGO USA(CANGO USA)) [カンパのお願い] 日本軍「慰安婦」被害者の名誉と尊厳回復のための韓国ソウル「戦争と女性の人権 博物館建設基金」にご協力下さい(署名事務局) |