特に民主党を中心に11人の国会議員と12人の秘書が参加したことは特筆すべきです。国会議員の中にも「慰安婦」問題の解決に意欲を持つ議員が少なからずいることに確信が持てました。 韓国からは李容洙ハルモニと尹美香・挺対協共同代表が参加されました。 李容洙ハルモニは「気が早いかもしれないが、民主党政権になってほとんど解決されたものと思っている」と切り出しました。 「私と鳩山総理とは13年前に面識があります。なので総理にぜひ言いたいのですが、私たちは高齢になりました。鳩山総理はこれからもっと長生きできるでしょうが、私たちには時間がありません。早くこの問題を解決していただきたいし、鳩山総理が必ずこの問題を解決してくれるものと信じています」と訴えられました。「本当は今回あえると思っていたんですよ。遠方からお客さんが来ているのに酷いんじゃないですか(笑)。でもここにたくさんの議員さんが集まってこられて、みなさんの力でいつか鳩山総理に会えることを信じています。みなさんの力でこの問題を解決できることを信じています。私たちが生きているうちにこの問題を解決してください。若い人たちのためにも未来を作っていきましょう!」 日本軍「慰安婦」被害者のハルモニたちは名乗り出られてからこの十数年間、日本政府を相手に闘っておられました。民主党を中心とした連立政権は今こそ、彼女たちの声に応えなければなりません。 韓国挺身隊問題対策協議会共同代表の尹美香さんは「誰よりも被害者自身が連立政権に期待している」と強調します。鳩山政権になって、死ぬ前に問題が解決するのではないかと期待していると。事前に日本大使館に正当な手続きを踏んだにもかかわらず非礼にも門前払いされた9月30日の申し入れの件に対しても「それでもこれまでより変わったに違いない」とハルモニたちは我慢したのだと言います。 そして「私たちは野党時代に強く物を申していたのが、与党になった途端に弱くなったというようなことを見てきた。国民の希望を受けやっと実現した民主党政権なのだから、そんな私たちの憂慮を払拭して欲しい。これまで立法案を、民主党・社民党・共産党の共同で提出してきたのだから、これまで口だけでおこなわれてきたものではないと信じたい。被害者の希望に議員は応えて欲しい」と訴えられました。 台湾婦女救援社会福利事業基金会の副執行長である康淑華さんからは、台湾被害者の辛い現状が報告されました。 「私たちは1992年から阿媽たちを支援してきましたが、58人いた阿媽は、この17年の間に18人になってしまいました。今日もここに来られればよかったのですが、高齢のためそれもかないません。被害者達は最後に「ごめんなさい」という言葉を聞きたがっています。立法案を通過させ、歴史教科書を見直すことができるようしてください。」 フィリピンのリラ・ピリピナとロラズ・センターからも集会にメッセージが寄せられました。 「これまですでに63人のロラが亡くなっています。日本政府がこの問題の解決に取り組んでこなかったことは、残念ながら、日本の国民のみなさんが、この63人のロラたちから罪を解かれ、許しを得る機会を失ってしまったということを意味しているのです。」 関東で市議会意見書を可決させた三鷹市、小金井市、国分寺市から参加された市議会議員からの報告は、各地で意見書運動を取り組む私たちにとってとても興味深い報告でした。 「地元で活動してきたロラネットから意見書の請願が出されて可決した。意見書というのは議員が国会に意見表明できる貴重な手段であり、それは市民にとっても同じ事。市議会では公明党が賛成討論してくれた。」(三鷹市議・野村洋子) 「小金井では議員から発議して、根回しして可決した。3月までの構成では難しかったが、選挙で構成が変わって可能になった。小金井市では自公が反対、民主党は最終的に賛成1名のみだったが、多数決で可決された。」(小金井市議・漢人あきこ) 「選挙後、公明党の手応えが変わった。反対は自民党のみ。国会での謝罪決議はすぐできる。ぜひ謝罪決議を実現させて欲しい。」(国分寺市議・亀倉順子) また宝塚市、札幌市、箕面市、京田辺市、生駒市、泉南市の関西各市議会の市議からも、集会にメッセージが寄せられました。 関西からは地元で意見書を可決させる運動をやっている市民が8名参加し、各都市の意見書採択のことを報告しました。また立法解決を進める国会議員を応援するために、大規模な署名を全国で取り組んでいってはどうかと提起がありました。 今日の日本軍「慰安婦」問題解決に向けた気運に、全国11都市であげられた意見書が少なからず影響を与えています。その事はこの集会の雰囲気からも、ハッキリと見て取れました。 民主党を中心に11人もの国会議員が参加されたことは、被害者と被害国の支援団体にとっては大きな希望になったことは疑いようがありません。 鳩山首相の掲げる「東アジア共同体」――この日この言葉を何度も聞きました。 「東アジア共同体実現のプロセスの中でどうこの問題を解決して行けるか」(石毛えい子議員) 「東アジア共同体の実現は、この問題の解決なしにはあり得ない」(櫛淵万里議員) 「日韓併合100年というという年に、東アジア共同体実現に向けてどう包括的に解決していけるのか」(稲見哲男議員) 「この問題を解決しないならば、日本が同等な立場で東アジアに意見を述べることは不可能」(辻恵議員) 「東アジア共同体は戦後補償抜きに実現してはならない」(服部良一議員) この集会に参加している議員は、「東アジア共同体」をお題目や経済協力関係だけではなく、身のあるものとして現実化していきたいと考えておられることがよく分かりました。 本当ならば参加された全議員の発言を紹介したいところですが、ひとりだけ。最初から最後まで参加され、促進法案提出に関わってこられた相原久美子参議院議員からこのような発言がありました。 「民主党とはいえ、まだまだみんながこの問題を理解しているわけではない。そのためにも市民運動が大事だし、私たち国会議員にとってもそれが力になる。関西から提起のあったぜひとも署名運動をやって欲しい。立法化にとって国民の声が一番の支えだからです」 いくら一国会議員に熱意があっても、市民の支えがなければ立法解決は実現できません。これからこそが市民運動の正念場です。 日本軍「慰安婦」被害者の尊厳回復のために、なんとしてでも立法解決を実現させましょう! ●参加された議員 (基本的に発言順、発言する時間のなかった議員もいます) 櫛淵万里(民主・衆・東京)/郡和子(民主・衆・群馬)/辻恵(民主・衆・大阪)/藤田一枝(民主・衆・福岡)/初鹿明博(民主・衆・東京)小林千代美(民主・衆・北海道)/稲見哲男(民主・衆・大阪)/石毛えい子(民主・衆・東京)/服部良一(社民・衆・大阪)/紙智子(共産・参・比例)/下田敦子(民主・参・青森)/相原久美子(民主・参・比例)/中野渡詔子(民主・衆・青森)/尾立源幸(民主・参・大阪) ●参加された議員秘書 (順不同) 川田龍平(無所属・参・東京)/中川治(民主・衆・大阪)/福島みずほ(社民・参・比例)/水岡俊一(民主・参・兵庫)/姫井由美子(民主・参・岡山)/岡崎トミ子(民主・参・宮城)/大谷信盛(民主・衆・大阪)/小林千代美(民主・衆・北海道)/藤田一枝(民主・衆・福岡)/尾立源幸(民主・参・大阪)/円より子(民主・参・比例)/行田邦子(民主・参・埼玉) ※ハルモニ、阿媽、ロラは、それぞれの国の言葉で「おばあさん」という意味です。 (「慰安婦」決議に応え 今こそ真の解決を!より転載) |