[紹介]
セイコウ・イシカワ ベネズエラ大使講演録
「ベネズエラは新たな段階へ〜“7つの変革”を踏まえた提言」

を発行しました

 カリブ海では米海軍はまたぞろベネズエラのマドゥーロ政権に対してイージス巡洋艦、駆逐艦、原潜、そして強襲揚陸艦と4000人の海兵部隊をカリブ海に送り込んで、文字通りの砲艦外交、戦争挑発と威嚇を仕掛けています。米国が他国に対する武力行使を平気で宣言する異常な侵略国家であることを世界中に示しています。米国のベネズエラ政権転覆の執念深さにはあきれるほかありません。
 米国がベネズエラの昨年の大統領選挙から今年1月の大統領就任式まで、どんなやり口でベネズエラ・マドゥーロ政権を転覆しようとしてきたかはこの報告集に余すところなく明らかにされています。そして、この妨害をはねのけてコムーナ国家という新しい社会の建設に向かう抱負もイシカワ大使のお話から伝わってきます。
 現在の米国の戦争挑発は一連の政権転覆が失敗し、挫折したことの結果です。強硬派野党を使ったクーデターなど、もう打つ手がなくなって今度は直接自分が軍艦を出して脅すしかなかったのです。しかし、国民に支えられたマドゥーロ政権は450万人の民兵体制=全人民の武装で立ち向かい、米国の侵略を許すつもりはありません。私たちも米国の横暴極まりない侵略と干渉に立ち向かうベネズエラ政府と人民を心から支持します。
 講演会から少し時間がたちましたが、米国が行おうとしていることの本質を鋭く批判する本報告集の価値は少しも変わりません。是非ご一読をお願いします。

セイコウ・イシカワ ベネズエラ大使講演録
「ベネズエラは新たな段階へ〜“7つの変革”を踏まえた提言」

 A4版 カラー 44ページ
 頒価 300円 郵送料込みで500円
 (振込口座 郵便振替:00910−5−107564 
  加入者名:リブインピース までお申し込みください)

発行にあたって
 3月22日、大阪市内でセイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使を招き、リブ・イン・ピース☆9+25とキューバを知る会・大阪の主催による講演会を行いました。テーマは「ベネズエラは新たな段階へ〜“7つの変革”を踏まえた提言」です。ベネズエラに対して、日本のメディアが「不正選挙」「マドゥーロ独裁政権」「超インフレ」等の悪意に満ちたイメージを繰り返し報道する状況の下で、米国からのカラー革命の策動をはね返し、参加型民主主義で社会主義に向かおうとするベネズエラの本当の姿を伝えたいと企画したものです。
 講演でイシカワ大使はまず、2024年7月の大統領選挙で不当介入をしたのはほかならぬ米国であったこと、それにもかかわらずマドゥーロ候補が過半数を獲得して勝利したことをさまざまな実例を挙げて語りました。米国とその手先が全国選挙評議会CNEにサイバー攻撃を仕掛けて選挙結果の発表を妨害し、野党ゴンサレス候補が7割の票を得たと偽の選挙結果を宣伝し、さらに不正選挙を叫んで暴動を起こさせようとしたのに対して、マドゥーロ政権は毅然たる態度で選挙勝利を公表し、クーデター阻止を国民の結集した力ではね返しました。米国は10年にわたって経済制裁を行い、政治・経済・社会を混乱させて政権交代をさせようとしてきましたが、みごとに失敗しました。その背景には、コムーナ(コミューン)という自治組織に基づく新たな民主主義の構築があります。そして2021年よりベネズエラ経済は回復に向かい、インフレは沈静化し、治安も劇的に改善したのです。
 大使は2024年に出された7つの変革について詳しく紹介しました。@経済変革、A完全な独立、B平和・主権・安全保障、C社会的変革、D政治面の変革、Eエコロジーの変革、FALBAやBRICsなど通じた地政学的変革を内容とする7つの変革は、チャベス元大統領が始めたボリーバル革命を新たな段階へと引き上げようとしています。
大使がもう一つ強調したのが、トランプ政権のベネズエラ人を標的にしたファシズム的政策との闘いです。ベネズエラでは反ファシズムの会議が2024年に開かれ、97か国の代表者が集まり、「反ファシズムインターナショナル」の設置が提唱されました。ベネズエラはその先頭に立っています。
 講演の後の5月の地方選挙では社会主義統一党率いる「シモン・ボリバル大愛国極」が83.42%の得票率で圧勝し、来年1月からの新国民議会ではコムーナを正式な政治制度として、「7つの変革計画」を通じて社会主義への移行を推進することが打ち出されています。
 私たちが作成したこのパンフレットが、ベネズエラ国内の状況や、ベネズエラが国際的に果たしている役割などを多くの人たちが知る一助になることを願います。

2023年9月1日
リブ・イン・ピース☆9+25
キューバを知る会・大阪