HANDS OFF RAFAH!
イスラエルはラファ大虐殺をやめろ
直ちに攻撃をやめ、停戦に応じよ
日本政府はラファ攻撃に反対せよ

ネタニヤフ首相はラファ攻撃をやめよ
 2月9日、イスラエルのネタニヤフ首相は「勝利はすぐ近くだ」「ハマスを壊滅させる」と語り、ガザ地区最南端の町ラファへの侵攻を宣言しました。ネタニヤフ首相は。2月14日には、ハマスの停戦案を拒否し、停戦協議を行っているカイロからモサドの代表団を引き上げさせました。ハマスの停戦案は、45日間の休戦を3回実施し、その間にイスラエル人の人質を徐々に解放するというものです。ハマスは、イスラエルが拘束しているパレスチナ囚人を釈放すること、イスラエル軍がガザから撤退すること、ガザへの大規模な人道支援や再建の取り組みなどを要求しています。これらは、ガザにいるパレスチナの人々の命をつなぎ、生活を立て直すために必要な最低限のことです。
 ラファへのイスラエル軍の攻撃が切迫しています。それは文字通りの大虐殺になります。直ちに侵攻計画を中止し、停戦に応じるよう要求します。

ラファ攻撃は、とてつもない被害をもたらす
 ラファ攻撃は大虐殺ととんでもない被害をもたらします。これまでイスラエルは北部ガザ市や、中部から住民を追い立て、後を追うように地上侵攻しました。住民はやむなく着の身着のままで最南部のラファ近くに密集しています。がれきの中に粗末なテントが立ち並び、一日一日をなんとか生き延びている状況です。水や食料、薬も封鎖された中で、エジプト国境に近いラファだけが人道支援物資搬入の窓口になっています。230万のガザ市民のうち150万人が避難しています。
 ネタニヤフ首相はここを攻撃しようとしています。ラファにいるハマスの4個大隊を殲滅せずには戦争を終わらせないとしています。しかし、このラファを空爆し、地上戦の舞台にすればとんでもない被害が出るのは避けられません。逃げ場がありません。空爆ですでに数百人が殺されています。地上軍が来れば、攻撃による被害はこれまでと比較にならないほど大きくなります。4か月を超える攻撃の中で、すでに2万8千人以上の市民が殺されています。その大半が子どもと女性たちです。唯一の人道支援物資搬入口であるラファを攻撃すれば、水、食料、医薬品、衛生用品などの搬入が不可能になり、人々は直ちに飢え死にするしかなくなります。この地獄のような状況を作らせないために全力を上げなければなりません。

米国はイスラエル支援をやめよ
 米国は「市民保護の計画なしの攻撃には賛成しない」といっています。ネタニヤフ首相はこれを受けて中部への「避難路」(人道回廊)を作るとしています。バイデン大統領はこれで安心して攻撃に賛成し、イスラエルは大手を振って大虐殺を行うことになります。米国の上院では13日、141億ドル(約2兆円)のイスラエルへの追加軍事支援が可決されています。バイデン大統領は“ハマス壊滅は共通の利害だ”と豪語し、イスラエルに武器・弾薬を湯水のように与えながら「やりすぎないように」と言っているにすぎません。
 しかし、住民避難など全くのごまかしです。疲弊しきった住民たちがどうやって避難などできるのでしょう。150万人もの市民、病人や老人、子どもを抱え、疲弊しきった人々が移動できるはずがありません。車のガソリンもありません。そしてラファを離れてだれが避難先に食料や水を運ぶのでしょう。しかも避難先はすでにがれきの山にされた場所です。これまでもイスラエル軍は避難路を攻撃し、多くの人が殺されました。安全な道などありません。住民を強制的に移動させるのは戦時国際法にも違反します。

ネタニヤフ政権の“民族浄化”作戦を許すな
 ネタニヤフ首相はなぜ停戦に応じないのでしょうか。イスラエルは、ガザを17年にわたって周囲を壁で囲み「屋根のない監獄」にして、パレスチナの人々を閉じ込め、すべてを奪い、過酷な状況に追い込んできました。しかしそれにとどまらず、住民をガザからすべて追い出し、第2のナクバ(民族浄化)の野望を達成しようとしているからです。アルアクサ洪水作戦への報復、ハマスの壊滅などと語っていますが、それは口実にすぎず、パレスチナ人のせん滅、ガザの完全占領こそがイスラエルの目的です。
 ネタニヤフ首相は、極右連立政権維持するために戦争を継続するしかないと考えています。戦争をやめればハマスの攻撃を予防できなかった責任を問われ、また収賄罪で起訴されており刑罰と逮捕が待っています。ネタニヤフ首相は戦争が続く間しか権力を握っていられません。だからこそ戦争をやめられないのです。しかし自らの政権維持のために極右の政策を採用し、パレスチナ人の大虐殺に踏み込むなど絶対に許されません。

世界で広がる反対運動−日本政府はイスラエル支持をやめよ
 風向きは変わりつつあります。国際司法裁判所ICJの暫定措置(仮処分)は、ユダヤ人国家イスラエルがジェノサイドで裁かれる最初のケースになりました。ラファの件で南アフリカ政府はICJに侵攻阻止のために権限行使を要請しました。ラファ攻撃にアラブ諸国は強く反対しています。事態の深刻さ、あまりの残虐さに、従来イスラエルを支持してきた国も動揺し始めました。EUは米にイスラエルへの武器供与を減らすよう提案しました。フランスはラファ攻撃に反対し、イギリス外相も「憂慮」を表明しました。 
 世界中でラファ攻撃への緊急の反対運動が強まっています。2月17日には英国で大規模な行動がおこなわれます。欧米では大衆的な反対運動が繰り広げられています。日本でも各地で反対運動が行われます。UNRWAへの拠出金停止を解除するよう政府と外務省に向けて運動がおこなわれています。イスラエルの軍需企業エルビットと提携していた伊藤忠や関連会社は市民の運動を受けて提携解消に動かざるを得なくなりました。イスラエルは追い詰められています。人質交換のための停戦が恒久停戦になりかねないことを危惧して拒絶しました。
 さらに声を上げましょう。日本政府に対してイスラエル支持をやめ、ラファ攻撃に反対するよう要求しましょう。UNRWAへの資金拠出再開を要求しましょう。 周りの人々へ働きかけ、イスラエルを孤立させ戦争をやめさせるために日本政府に圧力をかけましょう。国際的な運動の力で、イスラエルにラファ攻撃断念、停戦を押し付けましょう。

2024年2月17日
リブ・イン・ピース☆9+25