行方不明者、負傷者を含めると8万人が犠牲に 12月1日にガザ攻撃を再開して以降、イスラエルの攻撃はますます過激さを増しています。まるで国際的な停戦要求の声が大きくなり攻撃ができなくなる前に、できる限りたくさんのガザの人々を殺し、あるいは痛めつけておこうというかのようです。すでにガザの市民の死者は2万人以上、負傷者5万2600人、行方不明6700人に達しました(12月21日)※。死者のうち8000人は子どもで、6200人が女性です。イスラエルの攻撃で8万人に及ぶ人々が殺され、負傷させられました。死者の中には310人の医療関係者と97人のジャーナリストが含まれます。死者・行方不明者の数は、イスラエル側の死者1200人の20倍を超えています。この数字はイスラエルの「自衛権」の範囲内など到底言えないとんでもない数です。まさにパレスチナに対する民族浄化、ジェノサイド(大虐殺)そのものです。 ※https://english.almayadeen.net/news/politics/gaza-death-toll-surpasses-20-000--over-two-third-children-an 一般市民を殺しまくるイスラエル軍の異常さ イスラエル側の攻撃はますます残虐さを増しています。市民の住む集合住宅地帯に1トン爆弾や大型バンカーバスターの雨を降らせ徹底的に破壊しています。住宅ごと市民を吹き飛ばし、家族ごと殺しているのです。病院を目の敵にし、次々と攻撃しています。救急車も狙い撃ちです。市民が大量に避難している国連管理下の学校まで攻撃しています。学校そのものを再び使えないように爆破して瓦礫に変えました。発電所や飲料水製造所を爆撃して破壊しました。これらのどこが軍事目標なのでしょう。 イスラエルはハマスが病院や学校を拠点にしていると言いますが、その証拠は何一つありません。ガザ最大のアル・シファ病院を軍事拠点だと主張して攻撃しましたが、あったのは昔イスラエルが作った地下道と古びた少数の小銃の写真だけでした※2。明らかにでっち上げと証拠捏造です。イスラエルは「ハマスの基地だ」というこじつけで何万人もの市民を殺し、負傷させ、街を破壊し、がれきに変えているのです。市民が住めないように、生活できないように、仕事もできないようにするのが目的です。ハマスを口実に使ってしたい放題、世界中の人々が見守る目の前で、国際法違反の市民の大虐殺、市民生活の大破壊を行っています。絶対に許すことはできません。 ※https://twitter.com/QudsNen/status/1730966979035431269 ※2https://twitter.com/IDF/status/1724934932718293286 MRI室に武器が隠してあった?! https://www.washingtonpost.com/world/2023/12/21/al-shifa-hospital-gaza-hamas-israel/ ここ数日に限ってもイスラエルの攻撃の暴虐無人ぶりは明らかです。ガザ市北部のジャバリア難民キャンプに激しい爆撃を行い110人以上の市民を殺しました。いくつもの病院が包囲され、攻撃されました。カマル・アドワン病院では、病院が攻撃されただけではなく、70人もの医療スタッフが拘束されて連行されました。さらに中庭に避難していた避難民をブルドーザーで引き殺して、地中に埋めたと報じられています※。教会では避難していた女性と娘がイスラエルの狙撃兵に射殺されました。病院の中でも母親と子どもが射殺されています。国連の学校などに避難していた多くの男性を下着一枚にして連行したなど、蛮行は尽きません※2。どれもこれも国際法違反の戦争犯罪そのものです。 ※https://english.almayadeen.net/news/politics/iof-take-head-of-kamal-adwan-hospital--70-staff-to-unknown-l https://new.thecradle.co/articles/israeli-bulldozers-demolish-tents-bury-palestinians-alive-report ※2https://twitter.com/QudsNen/status/1732787007401714097 https://www.washingtonpost.com/world/2023/12/21/al-shifa-hospital-gaza-hamas-israel/ 12月21日のワシントンポストはシファ病院にはハマスが司令部として使っていた証拠はなかったと報じている。 ネタニヤフは自国民をも虐殺 矛先を向けられたのはガザの市民だけではありませんでした。イスラエル兵は、疑われないように上半身裸で白旗をもって近づいたイスラエル人の人質3人を次々と撃ち殺したのです。事件後、ネタニヤフ首相は「遺憾だ」と言いながら「人質を取り戻すには戦争を強化するしかない」と開き直り、人質家族たちの大きな反発を買いました。イスラエルの国防大臣は投降者に対する「発砲規則を見直す」と発言しましたが、それは要するに無抵抗でも(怪しいと思えば)射殺しても構わないという規則があるということなのです。イスラエルの人質だけでなく、罪もないパレスチナ人がどんどん殺されるのもこのイスラエル軍の考えられないような異常さによるのです。 白旗の人質殺害はメディアで報じられましたが、もう一つ、日本を含む西側メディアでは一切報道統制がかかり、隠蔽されている虐殺事件があります。実は、10月7日にイスラエル・政府・軍が自国民多数を虐殺したのです。それは、音楽祭や入植地などでイスラエル軍のアパッチヘリや戦車によって殺されたのです※。この事件は、イスラエル国内では政府などから弾圧を受けながらも、被害者から真相究明要求や公開質問状などが出て、報道されているのに、西側では一切報道されないのです。 イスラエル軍には、捕虜になったら、捕虜ごと殺してしまえという「ハンニバル指令」が存在します。その上、イスラエル人は子どものころから相手を殺さなければ自分が殺される、パレスチナ人はテロリストだと徹底して教育され、叩き込まれています。兵士らはこの教えと軍の命令に従って、「パレスチナ人は人間の顔をした獣」と洗脳され、パレスチナ人を次々と殺しているのです。22日にはイスラエル兵が、市民11人を家族の目の前で銃殺し、残った女性や子どもに手榴弾を投げつける残虐極まりない事件まで報じられています。※2 ※https://electronicintifada.net/blogs/ali-abunimah/israel-admits-burning-hundreds-people-7-october ※2https://news.yahoo.co.jp/articles/c784e967fb5a76e8fdeefdc3935e3eadfe796aed イスラエルによる「人道大惨事」の攻撃を許すな イスラエルは人道大惨事を戦争の道具として意図的に引き起こしています。これはガザの人々に対する集団懲罰であり、人為的に飢餓を引き起こす残忍な攻撃なのです。別の手段によるジェノサイドです。今や直接の爆撃や戦闘に巻き込まれる危険よりも、飢餓や病気でさらに多くの人びとが殺されかねません。国際人道法は市民を標的にした攻撃を禁止し、市民への食料等の提供を義務付けています。イスラエルの暴虐な飢餓攻撃は意図的に国際法を無視し、パレスチナの人々を殺し、痛めつける為に行われています。目的は民族浄化であり、最終的にはガザから人々を強制移住させ、追放することです。私たちはこの人道に反する残虐な攻撃に断固反対し、直ちに市民に安全を保障し、食糧・水など人道的物資の全面的な搬入を行うこと、病院と医療への攻撃中止・再建を要求します。 バイデンはイスラエルへの爆弾・武器の供給を今すぐやめよ イスラエルの無差別爆撃、民間人への砲撃・発砲、病院攻撃、人道危機などはますます国際的批判を高めています。言い訳が立たなくなったバイデンやブリンケンは、事ある毎に、「民間人の犠牲を最小限に」とメディアで発言していますが、これは全くの偽善です。実際には、イスラエルの大虐殺戦争を全面的に支え、徹底的に停戦に反対しているのです。 その一つは、国際的な制裁や懲罰の動きを阻止することです。今、国連安保理で審議中の決議でも妨害を続けており、今月12日の人道的即時停戦決議に反対しました。これまでも繰り返し拒否権を行使してきました。これがイスラエルの蛮行をやりたい放題にしてきたのです。 もう一つは、イスラエルが雨あられと落とす爆弾を大量に供給し続けていることです。バイデンが武器・弾薬供給をやめ、財政支援をしなければ直ちに戦争は終わります。私たちの大虐殺反対、即時停戦を要求する運動の矛先は、バイデン政権にも向けなければなりません。 最後に、大虐殺戦争の最初から、地上戦への移行、今盛んに言われている「低強度戦争への移行」まで、米政府とイスラエル政府は戦争計画を共有しているのです。米政府首脳は何度もイスラエルを訪れ、戦時内閣に参加し戦争のやり方ですり合わせをしています。米政府はイスラエルと戦争の共謀、共犯関係にあるのです。 米国とイスラエルの間に対立がないわけではありません。しかし、それは、大虐殺戦争を恒久停止するかどうかではなく、目先の個々の戦術やメディアでの「見栄え」の問題に過ぎません。真の本格的な対立は、「米・イスラエル」の双方に矛先を向けた即時恒久停戦を押しつける中からしか、生まれてきません。 バイデンとネタニヤフは追い込まれている ネタニヤフ首相とイスラエルは「勝利するまで戦う」と表明し強硬姿勢を変えていません。ガザから人々を追い出すまで戦争をやめないつもりです。バイデンもあくまでも停戦に反対し、大虐殺戦争を最後まで支持・支援するつもりです。しかし、米国もイスラエルも追い詰められています。 国連安保理で米国は完全に孤立し始めました。ガザへの人道支援強化をめぐる安保理決議提案に拒否権を振りかざして「一時停戦」の部分を葬り去りました。しかし人道支援の拡大そのものには拒否権を発動できず、棄権しかできませんでした。日独仏は国連総会決議でも一時停戦に賛成し、反対した米国から離れました。米国はイスラエルに追加弾薬を売ることは認めましたが、ウクライナ支援を含め支援予算が限界に近づきつつあります。バイデン大統領は、イスラエルのガザ攻撃がいつまでも続けば大統領選挙で不利になることに頭を抱えています。また、米国は対フーシ派「有志連合」に最低10カ国は参加すると豪語していましたが、実際には撤回表明が相次ぎ、5カ国になりました。 イスラエル国内でも、人質射殺で戦争一本やりのネタニヤフ首相のやり方に批判が強まっています。戦争に反対ではないが、人質交換を優先すべきという運動が強まって無視できなくなっているのです。もともと支持率が最低レベルで、戦争で延命してきたネタニヤフ政権が大きく揺らいでいます。戦争と戦時動員の長期化で、戦費の急増で財政危機が深刻化し、イスラエル経済が危機に陥っています。イエメン・フーシ派による紅海封鎖はイスラエルの経済にも悪影響を与え始めていいます。 国際的な圧力で、イスラエルを即時恒久停戦に追い込もう 米・イスラエルの戦略目標はガザ市民を大量虐殺と恐怖によってエジプトに追い出すこと、そしてガザを自分のものにすることです。しかし、それはハマスと抵抗勢力の全力での抵抗、エジプトやアラブ諸国や中国・ロシアなどの強い拒否で実現の可能性はなくなりつつあります。イスラエル軍の損害は隠しきれないくらいに大きくなっています。ネタニヤフ首相はイスラエルによるガザの再占領支配も口にするようになっていますが、ガザ追放に成功しなければイスラエルの戦略的敗北です。再びイスラエルが占領支配しても、多大な出血を長期にわたって強いられ、抵抗勢力がさらにその勢力を増大させるでしょう。イスラエルの戦争にかけた思惑は元の木阿弥どころか後退したものになるのです。 再び人質交換のための一時的停戦の可能性が出てきました。イスラエルは自ら人質交換のための一週間の停戦を提案し、一時停戦を認めざるを得ない立場に追い込まれています。しかし、これもあくまで、人質の範囲、人道支援や停戦の範囲などで米・イスラエルの目論見に沿ったものに過ぎません。当然、ハマスや抵抗勢力はイスラエル軍の侵略の全面停止を要求し、一時停戦でごまかし、全面的な人道支援を認めないというイスラエルの提案を拒否しました。 私たちは、繰り返し、即時恒久停戦の声を挙げ、人道的物資の全面的な搬入を要求して闘いましょう。米・イスラエルの大虐殺戦争を敗北に追い込みましょう。パレスチナ人民の民族自決権に基づく独立国家の樹立、難民・避難民の全面的な帰還、イスラエルに不当に投獄されているパレスチナ住民の全面的釈放を求めて闘いましょう。 2023年12月22日 |
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