パレスチナ連帯シリーズ(その2)
イスラエルは病院への空爆・虐殺作戦をやめろ
戦争犯罪=病院攻撃を糾弾する

病院に避難する人たちを狙うな
 イスラエルは10月28日未明(日本時間)にガザ地区に地上侵攻と大規模空爆を開始しました。空爆の最優先の目標にされているのは病院です。ガザ地区の病院は、空爆で家を破壊された何千人ものガザ住民の避難所となっています。高齢者や病人を抱えて避難できない人が最後に頼っているのが、病院であり、学校やモスクなのです。だからイスラエル軍はわざと、病院や学校を標的にし、強制的に追い出そうとしているのです。それでも退避しない者は「テロ組織の仲間」と見なして虐殺の標的にされるのです。イスラエル軍が地上侵攻を開始して以降、病院に対する脅迫と周辺への空爆はエスカレートしています。明白な国際人道法違反、戦争犯罪以外の何ものでもありません。こんな非道な戦術を繰り返す暴虐な国はイスラエル以外にはありません。

 メディアはこのことをほとんど伝えず、未だにイスラエルが被害者であるかのように報道し続けています。とんでもない事です。イスラエルによる病院攻撃、住民大虐殺を許してはなりません。

14000人の避難民を爆撃するな
 イスラエルは、数千人の避難民や負傷者を収容する病院を空爆すると脅迫しています。パレスチナ赤新月社によると、イスラエルは10月29日、ガザ市のアル・クッズ病院を空爆すると脅し、直ちに出て行けと要求しました。しかし、同病院は少なくとも400人の患者を治療しており、多くが重体であるため避難など不可能です。病院当局は避難命令を拒否しています。しかもアル・クッズ病院の敷地内には14,000人の住民が避難しています。

 イスラエルは脅迫しているだけではありません、5度目の避難命令直後、アル・クッズ病院からわずか50mの所を爆撃し、病院にも被害が出ています。さらに北部のインドネシア病院の周辺に対しても爆撃を行いました。10月31日には、ガザ地区唯一のがん専門病院・トルコ友好病院を攻撃しました。10月17日には負傷者や避難しているパレスチナ人でごった返していたアル・アハリ・バプティスト病院を空爆し、患者と医師・看護師、避難住民など少なくとも500人を殺しました。

 国連の調査では、10月7日以降にイスラエルが病院に対して51回もの攻撃を仕掛けたことを明らかになっています。
 ガザの病院は連日連夜、空爆の脅威にさらされています。イスラエルは意図的・戦略的に病院とその周辺を爆撃しているのです。

アル・クッズ病院(@PalestineRCS 10月30日)
【速報7】イスラエル・ガザ人道危機:度重なるアル・クッズ病院への爆撃予告、病院は攻撃対象になってはならない(日本赤十字社10月30日)
イスラエル、数千人の避難民や負傷者を収容する病院を空爆すると脅迫(10月29日)
イスラエル軍がガザ地区のインドネシア病院周辺を攻撃(middleeastmonitor 10月30日)
ガザでは、病院が私たちの最後の避難場所だった。それがイスラエルによって爆撃された(Ghada Abed 10月28日)

 イスラエルが標的にしているのは病院だけではありません。患者や住民の命を救おうと懸命に努力する医療従事者に対しても憎悪をむき出しにして狙っています。イスラエルは、負傷者を運んでいる救急車を集中的に狙って破壊しているほか、南に退避せよといいながら避難民や道路を移動するもの全てを爆撃し、戦争犯罪を繰り返しています。
Quds News Network@QudsNen(10月31日)

「病院を軍事目的で使用」というイスラエルのプロパガンダ
 イスラエルのネタニヤフ首相は地上侵攻直前の27日に自身のX(旧ツィッター)で、ガザ地区最大の医療機関アル・シファ病院の地下に「ハマスの本部がある」「軍事目的で使っている」などと突然言い出し、全世界のメディアに公表しました。しかし具体的な根拠は何も示していません。イスラエル軍自らが作成した、病院の地下施設だというコンピュータグラフィックス(CG)があるだけです。しかし、これはイスラエルがアス・シファ病院にバンカーバスター爆弾の雨を降らせるという宣言です。避難民を殺すことを正当化するためのプロパガンダです。

 ガザで働いたことのあるカナダ人救急医は27日、「アル・シファに対する非難は虚偽」「病院爆撃を正当化することが目的」「イスラエルが過去にガザの病院に対して同様の非難を行って軍事攻撃したが、証拠が出たことはない」と指摘しています。
 イスラエルは、何の証拠もなく、確かめようもない情報をデッチ上げることで、病院攻撃を正当化し、自らの戦争犯罪を覆い隠そうとしているのです。
 ハマスはこの情報を真っ向から否定し、「イスラエルは疑惑の種をまこうとする」「病院を標的にする道を開いた」と警告しました。

 国連によれば、アル・シファ病院の敷地内に約5万人の避難民が滞在しています。イスラエルがこの施設を攻撃すれば、10月17日のアル・アハリ病院での大虐殺のような、想像を絶する犠牲者が出ることは間違いありません。アル・アハリ病院の時もイスラエル軍の報道官は「病院におかれていたハマスの拠点を破壊した」と戦果を誇っていました。しかし、殺されたのは医療関係者と市民ばかりでした。病院爆撃を絶対に許してはなりません。

イスラエルがガザ最大の病院を脅迫(モーリン・クレア・マーフィー 10月27日)
ハマス、アル・シファ病院の地下施設に対するイスラエルの主張を拒否(アルジャジーラ10月27日)

病院は「未曾有の壊滅状態」
 ガザ市の病院の多くは空爆と地上侵攻、完全封鎖によって燃料や医薬品が遮断され、機能停止状態に陥っています。国連人道問題調整事務所は26日、ガザの病院が「前例のないレベルの壊滅状態に直面している。その主な原因は、圧倒的な数の負傷者と、医療従事者、電気、水を含む重要な資源の危機的な不足である」と述べました。さらに「通常の3分の1以下の人員で運営せざるを得ない」「病院は深刻な燃料不足に悩まされ続けており、発電機の使用は最も必要な機能に限られている」といいます。イスラエルによる軍事作戦が10月7日に始まって以来、ガザの病院の3分の1以上とプライマリ・ヘルスケア・クリニックの3分の2が、「損傷や燃料不足のために閉鎖され、まだ稼働している残りの医療施設への圧迫している」のです。さらにイスラエル軍の地上侵攻以来、携帯電話・インターネットが切断されて、救急車や医療スタッフは負傷者を救助に行くことさえできなくされています。

 イスラエルが病院での電力に不可欠な燃料搬入を阻止しているため、負傷者の救命医療が困難となり、保育器の新生児、透析患者などが死に直面しています。空爆と地上侵攻による虐殺だけでなく、医療破壊によってさらに多くの住民の命が奪われようとしているのです。イスラエルに空爆・侵攻をやめさせ、燃料、医薬品、水、食料などの必要物資を全面的にガザ地区に送り届けなければなりません。イスラエル軍の攻撃とガザの封鎖そのものが220万人のパレスチナ人を飢餓と生きていくことが困難な状況に追い込んでいます。それ自身が深刻な国際人道法違反の戦争犯罪です。イスラエルに直ちに地上侵攻・空爆を止めさせ、ガザ封鎖を解かせ、人々の命を保障させなければなりません。

ガザ地区での即時停戦を──これ以上の犠牲を出してはならない(国境なき医師団 10月29日)
ガザでは120人以上の新生児が保育器に入れられ、「イスラエル」の燃料削減で危険にさらされている(almayadeen 10月22日)




イスラエルの爆撃・侵攻で運行不能となった5台目の救急車(10月30日)
PRCS@PalestineRCS より



ネタニヤフのX(旧ツイッター)

2023年10月31日
リブ・イン・ピース☆9+25

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