イスラエルの暴挙糾弾!
イスラエル軍がガザへの人道救援物資輸送船を襲撃
平和運動活動家9人以上を殺害、多数負傷

 イスラエル軍は5月31日未明、イスラエルによる封鎖が続くガザ地区に人道救援物資を輸送しようとした救援船団を、海軍特殊戦闘部隊によって公海上で襲撃し、平和運動活動家を少なくとも9人以上殺害し、多数を負傷させた。あらゆる歯止めがはずれたかのような、全く自制がきかなくなったかのような、信じがたい暴挙である。
 私たちは、イスラエル政府とイスラエル軍のこの許し難い暴挙を断固として糾弾する。同時に、人道的危機をもたらしているガザ地区の封鎖をただちに解除することを要求する。今回の事件に関してイスラエル政府に対し、被害者に謝罪し人的・物的損害を補償すること、国際機関の厳正な調査を受け入れること、責任者を処罰することを要求する。さらに、国連をはじめとする国際社会が国際法に基づいてイスラエルを厳正に処罰することを求める。
 また、イスラエル軍によって殺害された人々とその親族および関係者の方々に、心からの哀悼の意を表し、攻囲封鎖されているガザ地区の人々の苦境を救うために活動されている人々に、限りない敬意を表するものである。

 以下に、パレスチナ市民の反イスラエル・アパルトヘイト闘争団体「パレスチナBDS(Boycott, Divestment, Sanctions)運動ナショナル・コミッティー(BNC)」の呼びかけ(6月1日)と、イスラエル国内でパレスチナ連帯・反アパルトヘイト闘争をおこなっている「グーシュ・シャロームGush Shalom」の声明(5月31日)を紹介する。


[「パレスチナBDS運動ナショナル・コミッティー(BNC)」の呼びかけ]

行動の呼びかけ

パレスチナBDS運動ナショナル・コミッティー(BNC)
2010.6.1

2010.6.5(土)に世界BDS行動デー
パレスチナ市民社会はイスラエルが人道救援者と国際連帯活動家を殺害したことに対してボイコットと制裁を強化することを呼びかける

被占領地パレスチナ、2010.6.1 −− BDS運動(Boycott, Divestment, Sanctions ボイコット、投資引揚げ、制裁)ナショナル・コミッティー(BNC)は、占領と攻囲封鎖の続くガザ地区に人道救援物資を運ぶ「Gaza Freedom Flotillaガザ解放救援船団」への、イスラエル海軍による昨夜の致死的攻撃を厳しく非難し糾弾する。BNCは、イスラエルの攻撃によって殺害された人々の家族と友人に、パレスチナ市民社会の哀悼の意をお伝えし、「ガザ解放救援船団」に関わるすべての人々の信念ある連帯と道徳的関与に心からの挨拶を送ります。

今回の出来事に対して次のように行動することを、BNCは国際社会に呼びかける:
・2010年6月5日(土)の緊急世界BDS行動デーへの動員
──イスラエルによるガザ地区と東エルサレムを含む西岸地区の占領43周年
・自国政府に貿易制裁と武器禁輸の措置をとるように圧力をかけること

私たちは、特に世界中の運輸および港湾労働者とその労組に呼びかける:
・イスラエルの船舶および航空機の荷積み・荷降ろしを拒否すること
2009年2月にダーバンで南アフリカの運輸関連労組(SATAWU)によって行われ、オーストラリアの船員組合(西オーストラリア船員組合)によって推奨された歴史的実例に続くこと

国際法に違反して公海上で攻撃された救援船団は、イスラエルが一貫してガザ地区に搬入することを妨げてきた救援物資、医薬品、セメント、食料などを運んでいた。イスラエルによる攻囲封鎖は集団懲罰の一形態であり、ジュネーブ条約33条の戦争犯罪とみなされる。ガザ救援船団のすべての救援労働者、活動家たちは非武装であった。法的な意味では、救援船団に対するイスラエルの軍事攻撃は、船舶が掲げている旗の国々に対する攻撃である。政治的には、人間の尊厳に対する、また正義と自由を支持する世界中のすべての意識ある人々に対する攻撃である。

イスラエルが罰を受けないでいることは、今なお続く占領、入植、パレスチナ人民に対するアパルトヘイトについての説明責任を、国際社会がイスラエルに果たさせることができていないことの直接の結果である。イスラエルがガザにおいて行い、ゴールドストーン報告書に記録された最新の戦争犯罪(2008年末から2009年初めにかけてのイスラエル軍によるガザ攻撃)は、2006年にレバノン人民に対して行われた犯罪とともに、いかなる国連制裁または公的制裁も行われず、イスラエルが法を超越しているという感覚をうち固める役割を果たした。実際、イスラエルの重大な国際法違反は、最近、OECDが満場一致でイスラエルをメンバーとして受け入れることを決定するという形で、報償を受けたのである。BNCは、国際社会に、この深く致命的な共犯関係を終わらせるよう強く促すものである。

BNCはまた、「今まさに、ガザの封鎖を終わらせることを強く主張すべきときである。イスラエルに対するボイコット、投資引揚げ、制裁の全世界的なキャンペーンは、道徳的また政治的な緊急要請であり、あらゆるところで支持され強化される必要がある。[1]」と述べた国連人権問題専門家のリチャード・フォーク教授の呼びかけを歓迎し支持するものである。

国連安全保障理事会は、驚くべきことに、イスラエルに対して「ガザ解放救援船団」への攻撃についての説明責任を課すことができなかった[2]。BNCは、国連総会、EU、アラブ連盟とその構成諸国に、イスラエルの大量的系統的国際法違反に対する不加罰性を終わらせる実際的措置をとるように呼びかける。そこには次のことも含まれる。

・イスラエルによるガザ地区の不法な封鎖とのあらゆる共謀をただちに終わらせること。制限のない人道的アクセスと、ガザ地区の内へ外への人と物の移動の自由を保障するようにイスラエル政府に圧力をかけること。
・この最新の虐殺の、そしてまたこれまでの犯罪の、決定を行なったあるいはまた遂行したすべてのイスラエル政府高官および軍スタッフを正当に処罰すること。
・イスラエルとの武器取引をただちに停止するよう、またイスラエルに対する貿易制裁と武器禁輸を実施するよう、自国政府に圧力をかけること。
・特に我々は、EUにはEU-イスラエル協力協定を停止するよう、メルコスール(南米南部共同市場)にはイスラエルとのFTA(自由貿易協定)を停止するよう、インドにはインドーイスラエルFTAに関する交渉を行うという決定を留保するよう、トルコには武器禁輸を課すよう、それぞれ呼びかける。

BNCはまた、国際法に対する説明責任をイスラエルに課し致命的な不加罰性を終わらせる最も効果的な手段として、イスラエルに対するBDS運動を強化するよう、世界中の意識ある人々と市民グループに呼びかける。

(Stop The Wall Campajgnからの配信メールより)

[「グーシュ・シャロームGush Shalom」の声明]

声明

2010.5.31

ウリ・アヴネリ(「グーシュ・シャローム」代表者):
今日の夜イスラエル政府とイスラエル軍司令部の命令によって公海のどまん中で犯罪行為が行われた
援助船への戦争まがいの攻撃と平和人道支援活動家の射殺である
これはレッドラインを踏み越えた政府のみが行うことのできる狂気の沙汰である

「あらゆる自制を失い現実との関わりを失った狂気の政府のみがこのようなことを行うことができる−−世界中からの人道支援物資を運んでいる船と平和活動家を敵と見なし、公海に大規模な軍部隊を派遣し、攻撃し、射殺するということが。」

「世界中の誰一人として政府と軍の報道官が考えついた嘘と言い訳を信じないであろう。」と、前国会議員でグーシュ・シャローム運動代表者のウリ・アヴネリは述べた。グーシュ・シャロームの活動家たちは、他の諸団体の活動家たちとともに、国際平和活動家たちが連れていかれることになっている拘束施設の前で抗議するために、11時にテルアビブを出発する。

キプロスに本拠を置く援助船組織団体の報道官グレタ・ベルリンは、グーシュ・シャロームの活動家たちにこう述べた、イスラエルの特殊戦闘部隊がヘリコプターで船上に降りたって、ただちに発砲した、と。

今日は、イスラエル国家の不名誉の日であり、我々の未来が何の責任感もない一群の好戦的な者たちにゆだねられていたということを我々が思い知る憂慮の日である。今日は、際限のない不名誉と狂気と愚かさの日であり、イスラエル政府が全世界の前で国名を不名誉で黒く塗りつぶした日であり、既に悪化しているイスラエルの国際的イメージに攻撃性と残虐性の紛れもない証拠を付け加え、わずかに残っている友人たちを失望させ離れさせる日である。

まさに今日、ガザの沖合いで挑発が行われた。しかしその挑発は、パレスチナの人々によって招かれガザに到着しようとしていた平和活動家たちによるものではない。挑発は、イスラエル政府の命令のもとで海軍の艦船の特殊戦闘部隊によって、援助船の進路を妨害し殺傷力を行使して行われた。

ガザ地区の攻囲封鎖を解くべきときである。それはガザ地区の住民に厳しい苦難を引き起こしている。今日イスラエル政府は自らの手で仮面をはぎ取り、イスラエルはガザ地区から「撤退して」はいなかったという事実を自己暴露した。真の撤退には、そこへのアクセスに対する阻止やそこへ到達しようとする人々を射撃し殺傷するようなことは伴わない。

イスラエル国家は、17年前のオスロ合意でガザ港の建設を可能とし奨励すると約束した。それによってパレスチナ人民が、自らの経済を発展させるために自由に輸出入ができるようにするための、十分な水深のある港である。この約束を守りガザ港を開くべきときである。ガザ港がアシュドッド港やハイファ港と同様に自由に妨害活動なしに開かれた後に初めて、イスラエルは真にガザから撤退したことになるだろう。それまでは世界は、ガザ地区がイスラエルの占領下にあり、そしてイスラエル国家にガザに住む人々の運命に対する責任があと見なし続けるであろう──また実際にそうである──。

ウリ・アヴネリ
アダム・ケラー、グーシュ・シャローム報道官
攻囲封鎖反対連合、ヤコヴ
グレタ・ベルリン、援助船組織団体報道官

(Gush Shalom配信メールより)


(「パレスチナBDS運動ナショナル・コミッティー(BNC)」の呼びかけ英文全文)

CALL TO ACTION:

by the Palestinian BDS National Committee (BNC)
1 June 2010

Global BDS DAY OF ACTION on SATURDAY 5 JUNE 2010

Palestinian civil society calls for intensifying boycott and sanctions as Israel massacres humanitarian relief workers and international solidarity activists

Occupied Palestine, 1 June 2010 - The Palestinian Boycott, Divestment and Sanctions National Committee (BNC) strongly condemns last night’s fatal attack by the Israeli navy on the Gaza Freedom Flotilla carrying humanitarian aid to the occupied and besieged Gaza Strip. The BNC conveys Palestinian civil society’s condolences to the families and friends of those killed by the Israeli assault and warmly salutes the principled solidarity and moral commitment of all those involved in the Gaza Freedom Flotilla.

In response, the BNC calls on international civil society to:

・ Mobilize for an emergency Global BDS Day of Action on Saturday 5 June 2010 -- the 43rd anniversary of the Israeli occupation of Gaza and the West Bank, including East Jerusalem

・ Pressure governments to start implementing trade sanctions and arms embargos

We call specifically on transport and dock workers and unions around the globe to:
・ Refuse to load/offload Israeli ships and airplanes, following the historic example set by the South African Transport and Allied Workers Union (SATAWU) in Durban in February 2009 and endorsed by the Maritime Union of Australia (Western Australia).

The Flotilla, which was attacked in international waters in violation of international law, was carrying relief supplies that Israel has persistently prevented from entering Gaza, including medical supplies, cement and food. Israel’s siege is considered a form of collective punishment, a war crime under Article 33 of the Geneva Convention. All of the relief workers and activists on board the Gaza Flotilla ships were unarmed. In legal terms, Israel's military assault against the Flotilla is an act of aggression against the countries whose flags the ships were carrying; politically, it is an assault against human decency and all people of conscience around the world who support freedom and justice.

Israel’s impunity is the direct result of the international community’s failure to hold it accountable for its ongoing occupation, colonization and apartheid against the Palestinian people. Israel’s most recent war crimes committed in Gaza and documented in the Goldstone report as well as crimes committed in 2006 against the Lebanese people did not trigger any UN or official sanctions, entrenching Israel’s feeling of being above the law. In fact, Israel’s grave violation of international law was recently rewarded when the OECD voted unanimously to accept its membership. The BNC urges international civil society to end this deep and fatal complicity.

The BNC also welcomes and affirms the call of the UN expert on human rights Prof. Richard Falk who stated, “It is time to insist on the end of the blockade of Gaza. The worldwide campaign of boycott, divestment, and sanctions against Israel is now a moral and political imperative, and needs to be supported and strengthened everywhere.”[1]

The UN Security Council has, unsurprisingly, failed to hold Israel accountable for its aggression against the Gaza Freedom Flotilla.[2] The BNC calls upon the UN General Assembly, the European Union, the Arab League and their member states to undertake practical measures which will end Israel's impunity for its massive and systematic violation of international law, including by:

Immediately ending all collusion with Israel's unlawful blockade of the Gaza Strip and pressuring Israel's to guarantee unrestricted humanitarian access and freedom of movement of people and products into and out of the Gaza Strip;

Bringing to justice all Israeli officials and military personnel who took the decision and/or implemented this latest massacre as well as earlier war crimes;

Pressuring your government to immediately suspend arms trade with Israel, and to implement trade sanctions and arms embargos against Israel.

In particular, we call on the EU to suspend the EU-Israel Association Agreement, the Mercosur to suspend the FTA, India to reverse decision to hold negotiations around an India-Israel FTA and to stop arms deals with Israel, and Turkey to impose an arms embargo on Israel.

The BNC also calls on people of conscience and citizen groups all over the world to intensify BDS campaigns against Israel as the most effective means of holding it accountable to international law and ending its fatal impunity.

For action ideas and updates, please see: http://bdsdayofaction.net/
For more information and coordination of action, please contact:
Ziyaad Lunat (Europe)
Michael Deas (Europe)

[1] For the full statement of Prof. Richard Falk, see:
http://www.badil.org/en/press-releases/135-2010/2257-press-en-19
[2] SC/9940 of 31 May 2010, UN Security Council, Presidential Statement
S/PRST/2010/9


(「グーシュ・シャロームGush Shalom」の声明英文)

Press Release

05/31/2010

Uri Avnery: this night a crime was perpetrated in the middle of the sea, by order of the government of Israel and the IDF Command
A warlike attack against aid ships and deadly shooting at peace and humanitarian aid activists
It is a crazy thing that only a government that crossed all red lines can do

"Only a crazy government that has lost all restraint and all connection to reality could something like that - consider ships carrying humanitarian aid and peace activists from around the world as an enemy and send massive military force to international waters to attack them, shoot and kill.

"No one in the world will believe the lies and excuses which the government and army spokesmen come up with," said former Knesset member Uri Avnery of the Gush Shalom movement. Gush Shalom activists together with activists of other organizations are to depart at 11:00 from Tel Aviv to protest in front of the prepared detention facility where the international peace activists will be brought.

Greta Berlin, the spokeswoman for the flotilla organizers located in Cyprus, told Gush Shalom activists that the Israeli commandos landed by helicopter on the boats and immediately opened fire.

This is a day of disgrace to the State of Israel, a day of anxiety in which we discover that our future was entrusted to a bunch of trigger-happy people without any responsibility. This day is a day of disgrace and madness and stupidity without limit, the day the Israeli government took care to blacken the name of the country in the world, adding convincing evidence of aggressiveness and brutality to Israel's already bad international image, discouraging and distancing the few remaining friends.

Indeed, today a provocation took place off the coast of Gaza - but the provocateurs were not the peace activists invited by the Palestinians and seeking to reach Gaza. The provocation was carried out by Navy ships commandos at the bidding of the Israeli government, blocking the way of the aid boats and using deadly force.

It is time to lift the siege on the Gaza Strip, which causes severe suffering to its residents. Today the Israeli government ripped the mask of its face with its own hands and exposed the fact that Israel did not "disengage" from Gaza. Real disengagement from the area does not go together with blocking the access to it or sending soldiers to shoot and kill and wound those who try to get there.

The State of Israel promised in the Oslo Accords 17 years ago to enable and encourage the establishment of a deep water port in Gaza, through which Palestinians could import and export freely to develop their economy. It's time to realize this commitment and open the Port of Gaza. Only after the Gaza port will be open to free and undisturbed movement, just like the Ashdod and Haifa ports, will Israel really have disengaged from the Gaza Strip. Until then, the world will continue - and rightly so - to consider the Gaza Strip under Israeli occupation and the State of Israel as responsible for the fate of the people living there.

Uri Avnery
Adam Keller, Gush Shalom spokesman
Coalition Against the Siege Yacov
Greta Berlin spokeswoman for flotilla organizers