<パレスチナ> 反占領・平和レポート(新) No.5
<Palestine> Anti-Occupation Pro-Peace Report (new version) No.5
イスラエルによる新たなガザ攻撃糾弾!
――パレスチナ人を標的にした対イラン攻撃の軍事演習か――
Denounce Israel for the Latest Attack against Gaza !
― A Military Rehearsal for Attack against Iran ?―


 イスラエルによるイラン攻撃がおこなわれる危険性が増しています。そんな中、イスラエルによる新たなガザ攻撃が連日おこなわれています。ガザからロケット弾が打ち込まれて負傷者が出ていることや多数のイスラエル人が避難せざるをえなくなっていることへの反撃だとイスラエルは強弁していますが、今回もイスラエルによる軍事挑発が発端でした。好きなときにいつでも挑発して紛争を引き起こし、圧倒的な軍事力でパレスチナの人々を無慈悲に殺戮する、そのようなイスラエルの暴挙に全世界から糾弾の声を上げていかなければなりません。また、対イラン攻撃に走らないように批判と警告の声を上げていく必要があります。
4日連続、死者20人超=イスラエル軍の空爆―ガザ地区(時事通信)
イスラエルとパレスチナ武装組織が停戦合意、エジプトの仲介で(ロイター)

 イスラエルがイランを攻撃するのではないかと、この間たびたび報じられてきました。そして、訪米したイスラエル首相が米国のお墨付きを得ようとしました。少し前に来日したイスラエル大統領も、またイスラエル国防相も含めて、異口同音に「あらゆる選択肢がある」という表現で対イラン攻撃を示唆し、米国をはじめとした国際社会に対して、イスラエルによるイラン攻撃を正当化しようとしました。しかし米国オバマ政権は、イスラエルに「自制を求める」という形で、当面はイスラエルの対イラン攻撃を認めない姿勢をとりました。

 しかし、米国もイスラエルによる暴走を制止しただけで、対イラン封鎖を強化して戦争挑発を強めています。また、米国はこれまで、イスラエルが国際社会を欺いて核兵器を開発し保有したことも許容し、イスラエルがどれほど国際法を蹂躙してもそれをかばい続け、イスラエルを国際的に罰することを妨げ、イスラエルの「不可罰性」を保障してきました。イスラエルがとんでもない暴走をする危険性は、米国自身が歴史的につくり出してきたものです。

 イスラエルは、ネタニヤフ首相が米国を説得することに失敗した直後から、ガザ地区への新たな軍事攻撃を連日おこない、3月12日には4日連続となりました。エジプトの仲介で「停戦合意」と報じられましたが、予断を許さない状況が続いています。

 私たちは、イスラエルの暴挙を糾弾し、米国の責任を追及するとともに、米国にピッタリ寄り沿ってそれに同調する日本政府の姿勢も厳しく批判する必要があります。

 今回のガザ攻撃は、ガザの人々をターゲットにした対イラン攻撃のシミュレーションではないか、またはゴーサインを出さなかった米国への何らかのメッセージではないか、という評価が出されています。イスラエル国内でパレスチナ連帯、反占領、反戦平和の活動をおこなっている団体「グーシュ・シャローム」が、自国政府・軍による新たなガザ攻撃を即刻批判し「ガザのエスカレーション:対イランの本稽古リハーサル」という短い声明を発しました。以下、それを翻訳紹介します。


Gush Shalom
Press Releases
Gaza escalation : dress rehearsal for Iran
http://zope.gush-shalom.org/home/en/channels/press_releases/1331547099/
ガザのエスカレーション:対イランの本稽古リハーサル

 ネタニヤフはガザの状況をエスカレートさせている : 対イラン戦争の本稽古リハーサルとして。また、まだそれに突入できていないことへの「慰め的な残念賞」のようなものとして。

 今週はじめ、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、対イラン攻撃で――それは石油価格を上昇させ世界経済を破壊するかもしれないものだが――米国のお墨付きを得ることに失敗した。同じ週の末に、彼はガザ地区との境界で「殲滅」行為を伴う紛争を引き起こしている。それは、確実にイスラエル南部の地域社会をロケット弾の集中砲火の下にさらし、ピューリム祭(ユダヤ教の祝祭のひとつ)の休日に子どもたちを防空壕に恐怖を伴って密集させることになるものである。

 ガザ地区での爆撃と殺戮は、きたるべき大戦争へ向けた武器システムの全般的なリハーサルとテストであるようにみえる。そしてまた、まだお墨付きを得られていないことへの「慰め的な残念賞」のようにもみえる。

 ここしばらくの数週間においては、ハマスとイランとの距離が遠ざかっていく多くの兆候があった。また、イスラエルとイランとの間に万一戦争が勃発したときには、ハマスの指導者たちはそれに加わらないつもりをしていると見られる兆候が拡大していた。責任あるイスラエルの指導部であれば、ハマスとイランのこのギャップを強めることを追求し、ガザ国境を平静に保つために全力を尽くしていてしかるべきである。しかし、イスラエルの現政権は、責任ある指導部というこの言葉にまさに当てはまらない、正反対のものである。

(以上)

2012年3月14日
リブ・イン・ピース☆9+25