トランプはベネズエラに戦争を仕掛けるな
特殊部隊の介入をやめろ 空母部隊派遣を中止せよ

 米軍のベネズエラ攻撃の危険性が高まっている。カリブ海に強襲上陸部隊を送り込んだだけでなく、空母フォードまで送り込む。カリブ海でのボート攻撃をスカレーとさせる。特殊部隊を送り込み、「偽旗作戦」を実行して開戦を試みる。ベネズエラ政府は侵攻に対して厳戒態勢に入った。私たちはベネズエラのマドゥーロ政権と人民に連帯し、トランプ政権に戦争を仕掛けないように要求する。

(1)10月28日に米軍は東太平洋で麻薬密輸ボート4隻を攻撃し、14人を殺害した。9月から攻撃をどんどんとエスカレートさせ、カリブ海と太平洋で14隻を攻撃し、57人を殺した。トランプは、麻薬テロリストは多数のアメリカ人を殺しており、殺されても当然だと開き直り、攻撃されたものが「麻薬密輸」である何の証拠も示さず、超法規的な処刑を正当化している。トランプ政権は国際法にも国内法にも違反する非合法的な殺人を直ちにやめるべきだ。

(2)トランプ政権の真の狙いはベネズエラのマドゥーロ政権の転覆だ。トランプ大統領はCIAにベネズエラでの特殊作戦の実行を許可した。10月中頃以降、ベネズエラ沖では米軍特殊作戦部隊のヘリコプターが活動している。10月30日には、特殊部隊の母艦であるオーシャン・トレーダーが中東から秘密裏にベネズエラ沖に移動したことが明らかになった。ベネズエラに対する不安定工作、暴力的クーデターの準備、戦争挑発をすでに行なっている。
 ベネズエラ国内では、トリニダード・トバコに派遣され米イージス艦に対する見せかけの攻撃=自作自演の「偽旗作戦」を準備していたグループが政府によって摘発され、トリニダードトバコ政府に通告された。米軍は、トンキン湾事件のときのように。攻撃されたと称して、戦争を始めるきっかけにしようとしていたのだ。マドゥーロ大統領に対する誘拐事件も行なわれようとした。この種の企ては以前にも米国大使館(今は空)爆破未遂などとして摘発された。米軍は特殊部隊と手先を使ってベネズエラ攻撃の口実を作ろうとしているのだ。

(3)最大の問題は米原子力空母フォードのカリブ海への投入だ。ヘグセス戦争大臣は10月24日にフォードと艦隊にヨーロッパからカリブ海に移動するように命じた。これは大きな意味を持つ。一つは、大西洋と地中海つまりNATO海域に配備された唯一の米空母を引き抜く判断をしたことだ。後には1隻の空母も強襲揚陸艦も残っていない。ウクライナやガザ、イエメンやイランに対応する艦隊を不在にする決定だ。第二に、75機以上の航空機を搭載し。1隻で5千人以上の乗組員を持つフォード投入は、これまでのカリブに投入されたイージス艦4隻、強襲揚陸艦3隻、原子力潜水艦などの攻撃力を格段に強める。強襲揚陸艦イオウジマのハリアー10機、プルトリコから発進する10機のF35、さらにB1やB52など長距離爆撃機と比べても格段に強力な攻撃力を持つことになる。本格的なベネズエラ攻撃と侵攻を考えているとしか思えない。

(4)トランプはアジアから帰国後、ベネズエラ攻撃の方針を会議で決めると言われていた。ところが、帰国途中で記者に聞かれてベネズエラ攻撃を検討していない、攻撃も決めていないと答えた。しかしそれは信用できない。トランプ自身が何度も次は陸上作戦だと言ってきたからだ。そしてフォードが欧州からカリブに到達するのは11月上旬だ。したがってこれ以降カリブ海の緊張は高まる。いつ戦争を始めるかわからないのだ。

(5)トランプは何度も陸上侵攻を口にしている。しかし十数万の正規軍と800万と言われる登録された民兵を持つベネズエラを簡単に上陸・占領することなどできない。ノーベル平和賞のマチャドやゴンサレス、あるいはロペスなど極右暴力政治家が米軍侵攻に合わせて決起せよと呼びかけているが、もはや極右野党は国内で大規模なクーデターを引き起こす力をもっていない。そして大規模なクーデターなしに2200人しか海兵隊を投入できない米軍がベネズエラを制圧することはできない。
 米軍にできるのは100機の航空機、数百発のトマホークミサイルで政府の施設や石油施設、発電所などに対する爆撃だけだ。一番あり得るのはCIAの送り込んだ特殊部隊の攻撃に合わせて、マドゥーロ大統領に対する暗殺攻撃だ。指導部に対する首切り攻撃は米軍の常套手段である。
 米軍の攻撃は、政府と経済に重大な打撃を与え、人民に多大な被害を与えるだろう。しかし、米軍は政府を打倒することも、主権を奪うこともできない。われわれは、自国の防衛のために闘うベネズエラ政府と人民に連帯し、世界中から、米軍はベネズエラに侵攻するな、カリブ海から引き上げろ、マドゥーロ政権支持の声を上げていこう。

2025年11月1日
リブ・イン・ピース☆9+25