マチャドへのノーベル平和賞を糾弾する
トランプはベネズエラから手を引け!軍事侵攻をやめよ

 極右反革命活動家マチャドへのノーベル平和賞授与は、米帝によるベネズエラへの軍事侵攻の危険性が高まっているまさにその時に行なわれた。それは、トランプのベネズエラ軍事介入を正当化するための国際世論誘導キャンペーンの一環である。公然と軍事侵攻を煽るものだ。
 マリア・コリーナ・マチャドは、トランプ政権によるベネズエラの政権転覆策動の首謀者であり、イスラエルのガザ大虐殺戦争を支持しる戦争屋である。このような人物への「ノーベル平和賞」は「ノーベル戦争賞」と言うべきものだ。
 マチャドは一貫してベネズエラの正当な政権を暴力的に打倒するために活動してきた人物である。そんな人物に、しかも今、ノーベル平和賞をなぜ授与するのか。ベネズエラ政府はノルウェー大使館を閉鎖したが、当然の行動だ。われわれはマチャドへのノーベル平和賞授与を批判し、ベネズエラに対する米帝の軍事行動をストップさせる国際的な運動の強化を訴える。

米国の援助と指令で政権転覆の暴動を主導
 マチャドは、平和の象徴とは正反対の人物である。米国による軍事侵攻や戦争、クーデター、暴力的な抗議行動などを呼びかけ続けている。大手メディアは、ベネズエラの革命政権を「独裁政権」と決めつけ、マチャドを、それに反対する「民主的活動家」として称賛している。
 だが、マチャドの政治家としての経歴は、ボリバル革命に対する暴力的な妨害活動・反革命活動の連続である。選挙運動を利用してクーデターを策動し、革命政権転覆の暴動を主導し、米帝主導の制裁と外部からの軍事侵略の推進を要請してきた。マチャドは、米国の政権転覆工作員の中心人物であり"顔"である。民主主義を装った制裁と民営化と外国介入を笑顔で巧みに語る洗練されたスポークスパーソンである。
 米帝国主義は、まずはボリバル革命を暴力的につぶそうとした(2002年4月)。公然たるクーデターが失敗すると、「民主主義推進」を掲げた反革命に転じ、マチャドやその盟友レオポルド・ロペスらの組織に米国国際開発庁(USAID)などを通じて資金援助を行なった。マチャドらの政府綱領の中心は、民営化、規制緩和、IMFへの再統合、天然資源の公開入札など、ボリバル革命の解体と新自由主義による帝国主義独占体への経済開放である。
 マチャドは、ガザ地区の殲滅とパレスチナ人の虐殺を行い続けているネタニヤフと戦略的同盟関係にある。2018年にはネタニヤフ政権にベネズエラへの軍事侵攻を要請した。
 また、国際的な麻薬密売ともつながっている。それを反政府活動の資金調達に利用している。麻薬密売に関わっているのはマドゥーロ政権ではなくマチャドなのだ!米国に展開していたベネズエラの石油販売会社CITGOの資産を米国が略奪したことにも関わり、英国によるベネズエラの金塊の差し押さえにも関わった。

2002年4月以来、反革命クーデターを繰り返し策動
 マチャドは、チャベス大統領を一時的に拘束した2002年4月の反革命クーデターで、その首謀者の一人だった。そのときには、チャベスのボリバル革命が構築した公的機関をすべて解散させる「カルモナ法令」に署名している。
 その後、マチャドらは、全米民主主義基金(NED)、USAID、全米民主研究所(NDI)などの米国機関の資金援助を受けて、非政府組織(NGO)「SUMATE」を設立した。そこから2003年に石油ストライキを推進したが失敗に終わった。
 2013年3月にチャベスが死去し、後継者としてマドゥーロが大統領になった。新政権に対して、マチャドらは、2014年に「グアリンバ」(極右主導の暴力的騒乱)でクーデターを起こそうとしたが失敗した。その際に米州機構(OAS)に軍事侵攻を要請した(実現しなかった)。グアリンバは2017年にも行われたが、マドゥーロ政権が抑え込んだ。
 2019年1月、当時国民議会議長であったグアイドは、前年の大統領選挙が不正選挙で大統領は不在であるとし、トランプ米大統領に支持されて自らをベネズエラの暫定大統領と宣言した。マチャドもグアイドを支持した。反動勢力は2019年を通して何度もクーデターを起こそうとし、5月には実際にクーデターに打って出た。だがこれらはすべて失敗に終わった。
 マチャドは、米軍の今回のカリブ海展開を称賛し歓迎した。マチャドとゴンサレスは米軍がベネズエラに侵攻することを支持した。マチャドらは、米軍と連動して国内で反革命暴動を起こしマドゥーロ政権を打倒しようと画策していた。カラカスの米国大使館に爆弾を仕掛け、その爆発を口実に米軍を軍事侵攻させようという策略(偽旗作戦)も準備していた。マドゥーロ政権は、マチャドら反革命勢力の拠点の摘発と武器・弾薬の押収によって、この策動を阻止した。

米国によるカリブ海への大規模軍事展開・地上侵攻を許すな
 8月下旬、米国は、「麻薬密売対策」と称してカリブ海のベネズエラ沖に大規模な軍事展開を行なった。軍艦7隻、原子力潜水艦、偵察機数機、海兵隊員を含む4500人超の兵員。そして、9月はじめ以降これまでに、船舶への攻撃を少なくとも5回行なって、27人の民間人を殺害している。また、ステレス戦闘機10機を新たに配備して軍事力を増強している。
 「麻薬密売を阻止するため」という理由づけは、事実に基づかない全くの虚偽である。トランプはそのことによって議会の承認なしで軍事力を行使することができるのである。真の目的は、米帝に従属することを拒否して反逆し続けているベネズエラの革命政権を打倒すること、そしてベネズエラの豊富な石油、金、ボーキサイトなどの資源を獲得することにある。

人民平和部隊の結成し、軍民一体となって防衛する 国際連帯でベネズエラ軍事介入を阻止しよう
 米軍のカリブ海展開を前にして、ベネズエラでは、人民による新たな平和部隊がつくられ、800万人の民兵が形成された。そこでは、急速に発展を遂げてきたコムーナ(コミューン)が重要な役割を果たしている。政府・軍と民兵が一体となって防衛体制が構築され、大規模な軍事訓練が行われている。そのことによって、米軍の軍事侵攻は容易には行えない状況にある。
 キューバは、米国の軍事介入を厳しく批判し、ラ米カリブ諸国の結束を呼びかけた。米州ボリバル同盟(ALBA)を中心に米国批判とベネズエラ連帯が強められている。それに加えて、世界各国で同様の労働者・人民のベネズエラ連帯運動が拡大し発展しつつある。
 マチャドへのノーベル平和賞に対し、米国のCODEPINKやWorld BEYOND Warなどの反戦平和団体、さらにパレスチナ連帯運動の中から相次いで批判の声が上げられ、国際的批判が高まっている。米国のベネズエラ軍事侵攻に手を貸すマチャドへのノーベル平和賞授与を厳しく批判しよう。いまも虎視眈々とベネズエラ攻撃や侵攻を狙うトランプと米軍に反対し、軍事介入阻止、米艦隊は撤退せよの声を強めよう。

2025年10月18日
リブ・イン・ピース☆9+25