リブ・イン・ピース☆9+25の声明
米国はキューバへの干渉をやめ、直ちに制裁を撤廃せよ

 私たちは7月11日にキューバで起こった反政府のデモを終息させ、それをきっかけとしてキューバに介入・干渉しようとした米国政府の計画を失敗させたキューバ政府の冷静な対応、キューバ革命を守り革命政府を支持するために即座に街頭に出て国民の意思を示し、秩序の回復を実現したキューバ国民の勇気に最大の敬意を表します。

 7月11日の反政府デモは、キューバ国民が直面させられている深刻な医薬品、食料、電力などの不足と危機の下で、直接米国のSNSなどを利用した介入によって引きこされたものです。抗議行動の始まりのサンアントニオ・デ・ロス・バニョスでの直接のきっかけは長時間の停電と生活物資の不足、コロナ・パンデミックの悪化に対する不満でした。しかし、その背後で煽り立てたのは星条旗を掲げ、米国から資金をもらい、反政府活動を行う活動家たちでした。人々の生活への不満、パンデミックへの不安を利用して、人為的に反政府、政権打倒への行動へと仕立て上げようとしたのです。
 後ろにはSNSなどを利用し、#SOSCubaなどのハッシュタグで、あたかもキューバ国内からであるかのように装い、行動を組織する米国の手先が存在しました。プロアクティブマイアミ財団など米政府出資の会社がコンピュータなどを利用して大量の反対行動を煽るメッセージを送り続けたのです。私たちはこのようにあらゆる手段を使ってキューバに干渉・介入しようとする米国政府の策動を決して許しません。

 これに対して、キューバ政府は直ちに適切な対応を取りました。ミゲル・ディアス・カネル・ベルムーデス大統領(共産党第1書記)は外部からの挑発は許されない、私たちは革命を守りますと宣言するとともに、サンアントニオに出かけて人々との対話を行い、声に耳か傾けました。また街頭に出た多くの人々と行動を共にし、励ましました。政府と共産党の働きかけで街頭に出た人々は、行動で政府と革命への支持を表明し、これが混乱を収め、米国の介入を封じ、直ちに日常生活を正常化する決定的な役割を果たしました。

 バイデン大統領は抗議デモの直後に支持を表明し、「人道支援」で介入しようとしました。キューバ政府に対して「国民の声を聴くように」指図までしました。EUもデモを支持しました。しかし、デモを支持し、混乱を起こさせ、それに乗じて介入し、キューバを弱体化させ、あわよくば政権打倒を狙うこれら西側政府の思惑は全く失敗に終わりました。キューバの人々の革命に対する支持が圧倒的に高く、政府を後押しし、甘言に踊らされた大規模な混乱をもたらす余地を与えなかったのです。政府と国民の自覚した決然たる行動に頭が下がる思いです。

 そもそも現在のキューバ国民が押し付けられている深刻な困難――コロナ・パンデミックと生活物資、医薬品、エネルギーなどの不足――は米政府がいう「キューバ政府の失政」などによるものではなく、米政府と同調するEUによる経済制裁が最大の原因です。60年以上にわたる米による封鎖、直接にはトランプが、オバマとの関係正常化の過程を突然逆転させてテロ支援国家に指定し、243もの追加制裁をキューバに課したからなのです。米国は金融的独裁権力を使ってキューバをドル決済から排除し、キューバが国際市場で物資や医薬品を売買できなくし、極端な物資不足に追い込んでいるのです。人民生活を困窮化させ、大混乱に陥れて外から介入し、後押しして政権打倒を追求する「ハイブリッド戦争」そのものです。
 国民に深刻な被害を押し付けながら、それを利用して「政府が悪い、政府を倒せ」と扇動し、資金を投入する。それが米国の「人道主義」の本性です。国民の声を聞け?。バイデン大統領が選挙期間中に公約した通り、トランプの制裁を見直し、制裁を解除すれば、キューバの人権問題、生活と人命の危機は直ちに消滅します。キューバ政権の転覆という目的のために、人々の命を、とりわけ子どもと老人達の健康と命を弄ぶことは許されません。私たちは米国のキューバに対する制裁と封鎖を厳しく糾弾すると共に、日本政府がこれを容認し、加担していることを厳しく批判します。

 私たちは、キューバの政府と国民の行動を全面的に支持します。それと共に、米国・EUが干渉・介入を直ちにやめ、キューバに対する制裁を直ちに全面的に撤回することを求めます。日本政府に対しても、正当な理由もなくキューバを経済封鎖し、国民を呻吟させる政策の撤回を米国政府に働きかけるよう要求します。

2021年7月14日
リブ・イン・ピース☆9+25

参考
サンアントニオに駆けつけ住民と一緒に街頭行動するディアス大統領
革命を守れと街頭行動をするキューバの人々


駐日キューバ大使館声明
キューバは人道的介入への呼びかけを拒否する

キューバで7月11日、治安の混乱と事件が一部の都市で発生したが、これは米国政府が描いた計画の結果である。わが国は現在、16か月に及ぶ新型コロナウイルス・パンデミックの影響に加え、国民生活に苦難と欠乏を強いている米国の経済封鎖の強化が原因で、困難な状況に直面している。そんなわが国に対し、米国は機会を見計り、この計画を使って最大限の圧力を行使しようとしたのだ。

事件は数か月前から準備されたSNSの策動と直接関連しており、それには米国務省とUSAID(米国国際開発庁)などの機関からテクノロジー・プラットフォームと多額の資金が提供されている。SNSではロボットやアルゴリズム、このために最近開設したアカウントを駆使して、操作されたメッセージが増幅された。

キューバ国内外の個人に資金提供し、国内の混乱を助長し、政府機関への敵対行動を取らせ、テロ行為を起こさせようとした証拠がある。その意味で、私たちは犯罪者たちが扇動、実行した数々の暴力行為を告発するものである。それには、公共治安機関への攻撃や外国プレスの特派員への攻撃までも含まれる。彼らの狙いは、大混乱の破綻国家であるかのような姿を見せかけることで、社会騒乱を扇動し、外国の介入を正当化することである。この種の人道介入が大砲を突き付けて行われ、諸国民の主権と人権を侵害するものであるというのは、最近の歴史が示す通りである。

しかし、7月11日の事件を引き起こした計画は失敗に終わった。保健上の緊急事態により課された条件下において、各機関は正常な機能を維持している。政府は市民の平和と平穏を保証するために必要な措置を講じており、今後もそうしていくだろう。

キューバでは再び感染が増加しているが、世界と比較して非常に良好な指標を示し続けている。例えば、キューバの感染者死亡率は0.64%であるが、世界の死亡率は2.16%で、南北アメリカの死亡率は2.64%だ。

一方で、キューバは独自のワクチン開発に成功し、他に4つのワクチン候補を有する。19歳以上の34%に1回目接種、26%以上に2回目接種、19%以上に3回目接種を完了した。

心配しなければならないのは、キューバについてだろうか?私たちがパンデミックの最も厳しい状況にあることを理解し、誠実や連帯、及び支援という立場から心配してくれる人たちを、私たちは理解し、受け入れ、感謝する。しかし、このようなキャンペーンを隠れ蓑にして、「このような実績さえ持っている国、キューバが人道的介入や人道的仲介を必要としている」と偽善的に語る人たちの主張は受け入れられない。

一部の人々が意図的に言っていることだが、キューバ当局が同胞間の対立や暴力を呼びかけたことは一度もない。私たちが国民に訴えたのは、「傭兵による侵略、テロリストによる攻撃、経済的妨害計画、強制的経済措置、その他の不安定化計画に対して、キューバ国民はこれまでと同様、祖国を防衛する主人公である」ということである。キューバ人を分断する扇動は国外から来る。

キューバには、法の支配と社会的正義がある。平和を愛し、深い人道主義的な使命感を持つキューバ国民は、すべての人とともに、すべての人のために、包括的で、民主的で、繁栄した、持続可能な社会を構築していくことを決して放棄しない。

2021年7月13日、東京