[簡易報告]2009年9月17日 アダムとリック、国会議員と面談!

アメリカの政策に日本が協力すると、
復興支援部隊、民生部門であっても、
イラク・アフガンの人はもっと悪い状況になる!
と力説

 昨日は、飛行機の事情でリックがいなかったが、今日からリックも日本ツアーに参加。
 アダムはカウボーイハット、リックはアフガニスタンのスカーフ(巻きもの?)をまとい登場、リックはスカーフでアフガンとの連帯を表し、サングラスなしで面談に参加。とても優しく、時に悲しい目をして証言してくれた。リックは、イラク戦争直後から派兵、アフガニスタンにも派兵、そして今年の8月末から9月3日までアフガニスタンへ今度は民間人として視察したという経歴をもっていた。
 民主党の近藤昭一議員(民主党)が呼びかけ、参議院の相原久美子議員(民主党)と今野東議員(民主党)の三人が面談した。議員は、護憲派と呼ばれる9条を守ろうとしているグループ20人強で活動しているうちの3人だという。
 日本国際ボランティアセンターがコーディネートした結果、実現したという。

 1時間の面談はスムーズで、始めに近藤議員が冬の兵士のあらましを二人の議員に紹介。ついで、「武力で解決できないと思っている。ではどう支援していけばいいか?」と助言を求めた。アダムは、「イラク・アフガンで何が行なわれているかを知るのも大切だが、なぜそうなったか?の方がもっと重要だ。日本が第一次世界大戦で帝国主義だったことを今、アメリカがしている。日本がアメリカに協力する必要は全くない。」ときっぱりと発言。リックも「今、不正義が進行していて苦しい状況。NATOがしている事は人々を抑圧する方に動いている。アフガンの声が届いておらず、産業もなく失業率も高く慢性的な貧困となっている。今アメリカの外交を援助するとアフガニスタンの人にまずくなる。援助をすると反米武装勢力など悪影響を及ぼす。アメリカの外交政策が変わらない限りこの問題は続く。」と現地の声からも日本の外交政策にアメリカの政策に協力しないよう示唆された。

 次に、アダムとリックの証言が始まった。
 アダムはファルージャでの体験、リックはタリバンやアルカイーダを見つけるための情報をどのようにして得てきたかを語った。
 アダムは、25万人の大都市ファルージャに民事部隊としてたった6人しか準備されず、護衛も与えられなかった経験を語る。アメリカがなぜ民事部隊を用意したのか?それはただ「いいこと」をしていると「見せかける」ことだった。また、交戦規定の破綻や、アメリカはイラクやアフガニスタンの政府と交渉しているが、その政府がアメリカの道具となっている状態でしかないこと、その政策に協力することはアメリカの犯罪行為に協力することと同じ。そして、日本にはイラク・アフガンを守ろうとする人もいる。命をかけた人も・・・そのように人を助けようという人を尊敬しています。また憲法9条を守ろうとしている人を尊敬しています、とまとめた。

 リックは、米兵として貧しいアフガンで行った情報収集は物資やお金と引き替えでその情報を元に一般家庭を襲撃したこと。しかしその情報が正しかったことは1つもなかった。貧しさのあまりニセ情報を言ってしまうのは当然のことでそれを推進するアメリカ軍が状況を悪くしている。そんなアメリカがする軍事作戦を支援するのはイラク・アフガンをより悪くする。アメリカは増派しないと解決できないと思っているが、必ず失敗する、と断言。

 次々と、議員から質問が出る。
 質問「どういう情報に対し、どんなお金を払うのか」
 リック:タリバンに関する情報に対し、部隊には通訳がいて、現金を払う。金額は一定しない。100ドルとか1000ドルとか。

 質問「その問題を解決するには社会運動が大きくならないと難しいのではないかと思うが、アメリカの状況は?」
 アダム:悲しいことに、反戦運動より反ブッシュ運動の方が大きかった。政治について記憶に長くとどめることはできない。日本では第二次世界大戦の体験を伝え、9条を守る動きがある。日本はアメリカと違い、政治を賢明にする、そういうチャンスを手にしている。オバマもブッシュと同じ犯罪行為をしている。
 リック:経済危機でアメリカ国民の苦しみを体験した。住むところや教育も・・・市民は生きるために闘っている。私自身、今年4月に上院外交委員会で証言した。戦場の現実を兵士として証言した。そしてこの8月、民間人としてアフガニスタンを見た。軍人・民間人として、同じ事を考えた。政治問題を考えて軍事行為ではこの問題は解決できないと確信した。アメリカでは二種類のメディアがある。右か、真実を伝えようとしているメディアである。今回のアフガンで地元の活動家に会った。「戦争と平和協会」というアフガン市民の平和団体。その団体は、アフガン政府から迫害を受けている。アフガニスタンでは、アフガン政府の腐敗を暴こうとする人は捕らえられ、刑務所へ入れられる。
 
 質問「アフガニスタンをどう支援すべきか?」
 アダム:地域ごとに指導者がいる。アフガニスタンでは中央政府というものが存在したことがない。今ある中央政府は事実上アメリカ政府の道具。日本の政府や人々がアフガンを支援したいなら、アフガン政府に対する援助はだめだ。各部族の地域社会を尊重すべき。NATOへの協力も悪い結果を生む。今、国連で武装解除をしている。そこに部族を巻き込むべき。するなら部族の長主導ですべき。

 質問「今、難民は?」
 リック:パキスタンの難民の状況はわからない。しかし国内で難民が生まれたのはアメリカの空爆によるもの。700世帯ある。しかし、支援を受けることはない。アメリカからも、アフガニスタンからも、国連からも支援はない!なぜ援助を受けられないのか?それは国内だから、村に帰れば援助するというのが政府の方針。その援助は100家族につき1日数キロの小麦粉だけ。またアフガン政府から援助を受けるには法的手続きがいるという。5人家族だったが爆撃で1人の娘が片腕を無くして残った。法的書類を全部揃えて提出したが、まだ何の援助も受けられていない実態を知った。

 質問「アルカイーダやビンラディンは日本では明確なイメージがなく、なんとなく危険な人・グループだというプロパカンダされている。それについては?」
 アダム:福田康夫は対テロ特措法を言った。アメリカと全く同じ事が日本でも起きている。それは国民を怖がらせることだ。テロリズムに対抗させるためにとても慎重になった。アメリカのいうテロリストが本当だったとしても、毎年交通事故で死んでいる数よりうんと少ない。悲しいことですが、恐怖を植え付けられるとどのような政策でも支持してしまう特性が人にはある。
 リック:テロは軍事ではなく警察が解決するものだ。タリバンは、グローバルな支配が目的なのではなく、独立が目的。国際テロはしていない。タリバンの報復をやめさせるためには、まず軍がいなくなることだ。軍がいるとタリバンは戦い続ける。アルカイーダとかテロの怖さより、温暖化の方が問題ではないか(皮肉)。

 最後に、アダムとリックが軍民協力に対して言いたいことがあるという。アダムは軍事行動と復興支援活動を組み合わせたやり方は、誤解を生むだけだ。PRT(地域復興支援チーム)の活動というのは人道支援をすることによって軍事活動を助けている、と皮肉った。リックは、先日アフガニスタンでの視察でわかったこと、過去4年間攻撃を受けなかったNGOについて語った。それは、自分が攻撃しないこと、軍やお金と距離を置くことが重要だったという。セキュリティーを確保しない方が安全だったと皮肉った。

 議員は、軍事支援で解決しないのは共通した認識。市民団体とも手を携えて、政治的な発信を考えていきたい、ありがとうございました。と締めくくった。

2009年9月24日
リブ・イン・ピース☆9+25 OK