アフガニスタン増派への反対を強める全米の反戦団体


10月8日、アフガン開戦8周年に抗議する
サンフランシスコでのデモ
 米国リベラル系サイト・コモンドリームズに掲載された、米国のアフガン増派反対行動の呼びかけ記事の翻訳である。“平和のための帰還兵の会”(VFP)が全米の反戦センター・グループに呼びかけを発し、オバマ大統領がアフガニスタン増派を発表した際には、緊急の反対行動を様々な形で展開する事を提案している。
 今年のアフガン開戦8周年(10月7日)に際しては、オバマ政権になって以降下火になっていた反戦運動が国内の厭戦機運の高まりと共に再活性化し、UFPJ(平和と正義のための連合)やANSWER(戦争を止め、人種差別を終らせるために今こそ行動を)連合などの主要な反戦センターが草の根の集会、デモ、ティーチインなどを呼びかけ、組織した。
 アフガニスタン戦争の泥沼化とパキスタンでの事実上の戦争状態の拡大、「対テロ戦争」の行き詰まりの中で、米国の反戦活動家たちは、アフガニスタン増派決定という重大な課題に直面している。それが、これまで独自で活動してきた反戦センター・グループが異例の共同行動を呼びかけるところまで先鋭化してきているのである。その中で、反戦運動をリードする重要な一翼を担っているのが帰還兵達である。
オバマの「対テロ戦争」(8) 米基地銃乱射事件−−“兵士再生システム”のわな(リブ・イン・ピース☆9+25ブログ)
オバマの「対テロ戦争」(7) アフガニスタンでの負傷者数の激増とIED攻撃(リブ・イン・ピース☆9+25ブログ)

2009年11月17日
リブ・イン・ピース☆9+25


[翻訳]全米反戦組織がオバマのアフガニスタン増派決定の前後での反対行動の呼びかけを発す
National Antiwar Groups Issue Call to Action for Protests Before and After Obama Afghan Escalation Decision(Common Dreams 200911.9.)

 イラク・アフガニスタン戦争に反対する最大のデモを支持してきたグループは、今日、「行動への呼びかけ」を発し、かれらのメンバーに、オバマ大統領のアフガニスタン増派の予想される声明にできるだけ早く反対し、そして声明の翌日には再び抗議するように促した。
 「呼びかけ」参加団体は、“平和のための帰還兵の会”(Veterans For Peace),“発言する兵士家族の会”(Military Families Speak Out),“戦争を止め、人種差別を終らせるために今こそ行動を連合”(the A.N.S.W.E.R Coalition), “国民議会”National Assembly, “非暴力抵抗運動のための全米キャンペーン”(National Campaign for Nonviolent Resistance), “平和と正義のための連合”United for Peace and Justice, そして“世界はもう待てない”(World Can’t Wait).である。
 その全グループは、メンバーにあらゆる広範な地元での活動――議員の招聘から非暴力の市民の抵抗まで、その中間のあらゆる行動を、この数日中に予想される声明に先だって行うように求めている。オバマが増派を声明するなら、大衆的反対の拡大を討議するために、地元の市民、労働者、宗教グループと接触するだけでなく、翌日「街頭へ戻る」ことを求めている。
 平和のための帰還兵の会の執行委員長マイケル・マクパーソンは、アフガニスタンへの増派の見通しを、吐き気を催すものと呼んでいる。「それは確実に、最低でも米国が更に数年間アフガニスタンを占領し、死傷した兵士を米国へ送り返し、他方で何倍も多くのアフガニスタン人を殺傷することを意味する」。米国は「アフガニスタンの苦しみに正比例して安全を損なう」であろうと予言した。
 前陸軍大尉でありペルシャ湾岸戦争の退役軍人は、「米経済が深淵をまだふらついているので、リンドン・ジョンソン大統領の偉大な社会がベトナム戦争の岩礁に衝突し炎上した時よりも、今の方が危険ははるかに大きい」と警告した。
 行動の呼びかけは、地元のグループが「死者の行進」を、増派声明の前後の抗議行動の一部分として共同で行うことを提案した。
 平和のための帰還兵の会は1985年に設立され、100以上の支部とミズーリ州セントルイスに本部を置く全国組織である。VFPのメンバーは、スペイン内戦(1936-39年)、第2次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク・アフガニスタン戦争、及び他の冷戦や熱戦など、全ての時代全ての任地に就いた男女の退役軍人である。私たちの集合的経験によれば、戦争は始め易く終わり難く、傷つく人はしばしば罪のない人々である。VFPは国連に代表を派遣している正式のNGOである。

行動の呼びかけ
 支持団体は、Veterans For Peace, Military Families Speak Out, the A.N.S.W.E.R Coalition, National Assembly, National Campaign for Nonviolent Resistance, United for Peace and Justice, and World Can’t Wait.である。
 オバマのアフガニスタン戦争のエスカレート決定の腹立たしいニュースは、いつ来るかもしれない。
 疑いなく米国内のここでも世界中でも、人々はどんな悲劇や苦しみがその後に続くかを知っているので、苦痛と怒りと悲しみをもって応えるであろう。
・それは確実に、最低でも米が更に数年間アフガニスタンを占領し、死傷した兵士を米国へ送り、他方で何倍も多くのアフガニスタン人を殺傷することを意味する。今日のアフガニスタンの苦しみは、桁違いに大きくなり、米はそれに正比例して安全を損なうであろう。
・リンドン・ジョンソン大統領の「偉大な社会」がベトナム戦争の岩礁に衝突し炎上するのを見るのは悲劇的であったが、今の方がリスクははるかに大きい。米経済は今日なお深淵をふらついている。アフガニスタン戦争のエスカレートは、是が非でも必要とされている国内計画の破綻だけではなく、正しくひょっとすると経済全体を破壊するかもしれない。

 これらや更に多くの理由から、私たちのメンバーと心に人類愛を持った全ての米国市民に、少なくとも次の行動を誓うように呼びかける。
1)数日中に、理想的にはオバマ大統領の決定に先立って広範な地元での活動――議員の招聘から非暴力の市民の抵抗まで、その中間のあらゆる行動――を行おう、アフガニスタン戦争の拡大のどんな決定にも反対と嫌悪を示すために。意思の統一を示すために、連邦ビル、地元議員会館、及びあらゆる種類の政府ビルへの地元の「死者の行進」を提案する。
2)アフガニスタン戦争への増派声明のすぐ翌日、再び様々な方法で応えよう。意思の統一を示すために次のことを提案する。
 a)その日、あなたたちがまだメンバーではない教会、組合、市民グループなどの少なくとも1グループと、行って戦争について話をする会合の日時を取り決めること。
 b)街頭に戻り再びあらゆる広範な地元活動――議員の招聘から非暴力の市民の抵抗まで、その中間のあらゆる行動――を行おう、そしてニュースメディアに向かって戦争エスカレートについての論評を準備しておこう。

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 平和のための帰還兵の会は、1985年に設立された全国組織である。それは、ミズーリ州セントルイスの全国本部を中心に構成され、国中の支部に組織されたメンバーや全州代表メンバーを含んでいる。この組織は、スペイン内戦(1936-39年)、第2次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、最近のイラク戦争、及び他の戦争など、全ての時代全ての任地に就いた男女の退役軍人を包含している。私たちの集合的経験によれば、戦争は始め易く終わり難く、傷つく人はしばしば罪のない人々である。従って、問題解決の他の手段が必要なのである。
Veterans For Peaceホームページ

(翻訳W)