3・27 National Day of Action March 27(国民行動の日)
全米60以上の都市で、Stop Asian Hateの声が響き渡る

 3月27日、「#StopAsianHate」を合言葉に、ANSWER連合、コードピンク、チャオコレクティブ等米の反戦平和運動団体が総結集し、全米60都市以上で多彩な抗議行動が繰り広げられました。当日は、「End the Violence Against Asians(アジア系住民への暴力を終わらせよう!)」や「Stop Demonizing China and Chinese People(中国と中国人への悪魔化を止めよ!)」等、参加者は各自が想いを込めた手書きのプラカードを持参し、各都市を元気よくデモ行進をしました。
 この行動は急遽呼びかけられたものです。3月16日南部ジョージア州アトランタで、犯人が持っているアジア系への露骨な差別意識とミソジニー(女性、特にセックス産業に関係する女性への悪辣な蔑視)を動機として、8人が殺害されるという凄惨な銃撃事件が起きました。犯人は犯行時「すべてのアジア人を殺す」と叫びながら犯行を続けたと言われています。更に犯人を逮捕した警察官は、「犯人にとって今日は最悪の日だ」と犯人に同情する発言を繰り返しました。それもそのはずです。この警察官はアジア系へのヘイトを煽るTシャツを警察内で販売促進していた人物です。
 現在全米では、昨年トランプが事あるごとにコロナを「中国ウイルス」「カンフル―」と中国に対する悪罵を投げ続けたことや、ファーウェイへの制裁等中国敵視政策を強化したことに触発されて、アジア系住民個人への暴力事件が急増しています。道を歩いていたら突然突き飛ばされたり、殴る蹴るの暴行を受けたりと、報告された事例だけでも全米で3800件にも上ります。アトランタの銃撃事件はこれらヘイトクライムの象徴のような事件なのです。
 このように米全体にはアジア系への根深い差別・蔑視が存在しており、政府の反中姿勢がアジア系個人への直接の暴力へとエスカレートする陰惨な土壌があります。だから、米の反戦平和団体は、これ以上の悲惨な事件を繰り返さないようにと即座の行動を呼び掛けたのです。さらに、先日行われた米中外交首脳会談では、バイデン政権が中国敵視政策をトランプ政権と同様に継続する姿勢を鮮明にしました。大会主催者は、今回の抗議行動の要求として「Stop Anti-Asian Violence!」に、「Stop China-Bashing」を加え、バイデン政権に中国敵視政策継続を即刻中止することも要求しました。

中国敵視政策はアジア系へのヘイトクライムに直結
 アジア系住民(移民)は、黒人及び現在まで続く悲惨な「奴隷制」とは、違った形態、違った歴史的背景を持ちながら、どちらも低賃金で過酷な労働を強いられ、アメリカの今につながる巨大な「繁栄」を支えてきたのです。特にアジア系・中国系移民は19世紀後半のアメリカの鉄道建設に低賃金で従事させられました。さらに米は、第2次世界大戦での日本、中国建国時での中国、朝鮮戦争での北朝鮮と中国、ベトナム戦争でのベトナム、湾岸戦争以降のイラク、アフガニスタン、シリアと常にアジアで大規模な戦争・侵略を仕掛け続け、相手国への敵視を強めてきました。そのためアジア系住民は常に政治的に敵視されることを強要されてきました。
 だからこそ今でも時の政治指導者が中国敵視の姿勢を少しでも見せれば、すぐさまアジア系へのヘイトクライムに、その深刻な急増に直結するのです。バイデンが中国敵視政策を継続するとき持ち出す「人権重視」とは、結局自国内でのアジア系へのヘイトクライムを増やすものであることを忘れてはなりません。この点でもバイデンの中国敵視政策継続は、世界の平和に対する大きな壁なのです。すぐさまやめさせなければなりません。今回の抗議行動は中国敵視を止めさせる運動の大きな1歩となりました。

・3・27行動の全体像がよくわかります。
 Actions in 60 cities in solidarity with Asian community against racism, war : Peoples Dispatch




・この行動を提唱・主催したANSWER連合の行動のよびかけです。
 Call it What it is, a Hate Crime! Stop Anti-Asian Violence, Stop China-Bashing! (answercoalition.org)

・合わせて米の反戦平和団体コードピンクの行動の呼び掛けです。
 National Day of Action March 27: Call It What It Is, a Hate Crime! Stop Anti-Asian Violence, Stop China-Bashing! - CODEPINK - Women for Peace

2021年4月3日
リブ・イン・ピース☆9+25