3月12日、衆議院本会議は「新型インフルエンザ特別措置法改正案」を可決しました。私たちはこの法律改悪に断固反対します。そして明日参議院本会議でも採決し法律として可決することに反対します。 「新型インフルエンザ対策措置法改正案」は安倍首相に憲法や人権を制限する非常に大きな権力を集中することができる法律です。このように重大な法律をわずか3時間の審議で衆院を通過させたことは理解しがたいことです。さらに共産党を除く野党が全体として支持に回ったことは許しがたいことです。 第1に、「この1・2週間は感染拡大防止の山場」のはずです。拡大防止はどうなったのでしょうか。相変わらず検査拡大は遅れたままです。検査しないために感染可能性のある人が動き回って周囲に感染を広げる可能性が残ったままです。3月初めから学校を一斉休校にし、子どもにも保護者にも非常な困難と迷惑をかけておきながら、市民から批判が高まってそれへの対応を出したのが10日です。しかも医療機関へのマスクや消毒液や子どもの居場所確保、子どもの世話のための休業労働者への手当や補償は、本来学校一斉休業前に出すべきものが今頃出てくるでたらめぶりです。しかも国民へのマスク供給は絵に描いた餅、医療機関への配布さえかろうじて始まったにすぎません。中身にどれだけ実効性があるのでしょうか。感染防止とその保障のために本気で行動すべき時に、それに関心を持たずに強権追求を進める安倍首相には怒りを禁じえません。 第2に、安倍首相に審議わずか3時間の信じられないスピードで「非常事態宣言」と「憲法制限権限」を与える法律を与えることに反対です。この政権にはこれら強権発動への歯止めが利くとは思えません。国会の場でまっかな嘘を、しかも自分の部下である検察を貶めるような嘘をついた森法相をなぜ解任しないのでしょうか。罷免以外ありえない森法相を「注意」で終わらせたのは安倍首相の責任になるのを避けるためです。森友問題、桜を見る会、定年問題等々、安倍首相は自分の責任回避と延命のために証拠を抹殺する、嘘をつく、しらを切るを繰り返してきました。自分のためならどんなことだってするのです。このような危険な人物に強権的権力を与える法律を、しかも今作って渡すことなど許されません。 第3に、この法律成立は、野党を分断し、これまでの新型コロナウィルス対策の失策だけでなく、森友、桜を見る会、定年問題など安倍政権への追及を終わらせ、もう一度政治的主導権を取り戻そうとする安倍政権の思惑によるものです。現状では、まんまと思惑に乗せられています。私たちは、安倍政権の数かずの疑惑と罪状を徹底的に追及すべきと考えます。 いずれにしても、安倍首相がトップにいる限り新型コロナウィルス感染拡大を抑え、そのもとで労働者人民のいのちと生活を保障することはできません。首相が新型コロナウィルスの感染症に関心を持とうとしないことは、感染症対策会議にほんのわずかしか時間を割かずに、長々と会食と宴会に時間を費やしてきたこと、自分が先頭に立って対策や国民への説明をするつもりがないことに明らかです。そして、対策の多くが結局は企業を儲けさせることしか考えていないのです。それは「対策第3弾」といわれるものに明らかです。 私たちは、「新型コロナウィルス特措法」改悪に最後まで反対し、その発動を絶対許さないために批判と活動を今後も強めていきます。 2020年3月12日 |
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