[速報]
11・10「何が秘密?それは秘密」特定秘密保護法を廃案に! 緊急集会

  11月10日(日)大阪市内で「何が秘密?それは秘密」 特定秘密保護法を廃案に!緊急集会を、リブ・イン・ピース☆9+25主催で行いました。参加者は約80名。

 集会の最後に採択された集会アピール「「特定秘密保護法案」の危険性を広く訴え、廃案に追い込もう」を掲載します。







集会アピール
「特定秘密保護法案」の危険性を広く訴え、廃案に追い込もう

 安倍政権は11月7日、日本に戦争司令塔をつくる「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」を衆院本会議で強行採決しました。「特定秘密保護法案」はこれとセットであり、集団的自衛権行使を解禁し米軍と一緒に自衛隊が侵略戦争に参加できるように、軍事機密保護を米国並みにしようというのです。特定秘密保護法の制定は戦争への道です。暴走を断じて許すことはできません。

 特定秘密保護法の対象は軍事機密だけではありません。「軍事」「外交」に加え「スパイ活動防止」「テロ活動防止」が含まれます。「スパイ」「テロ」を口実として無実の市民が逮捕・拷問されて監獄へ送られるのは、戦前の日本や現在の米国を見ても明らかです。公務員の秘密漏洩罪が1年以下の懲役なのに対し、同法違反は最高で懲役10年という異常な重刑になっています。

 この法案の大きな特徴は、特定秘密を扱う公務員等だけではなく、一般市民をターゲットにしているということです。市民が情報を得ること、自由に政府にものを言うこと、政府が持っている情報を明らかにするよう求めること、学問や研究をすること等々、さまざまな情報収集・言論活動を全て監視と刑罰の対象にすることを、目的としているのです。

 特定秘密は大臣などが勝手に指定でき、何が秘密かさえ秘密にされ、一切市民には知らされません。行政が特定秘密と指定することによって犯罪と刑罰が際限なく増えていくというこの法案は、現代刑法の基本原則である「罪刑法定主義」を踏みにじっています。

 特定秘密を取り扱う「特定秘密取扱者」は、政治的な活動や団体とのかかわり、犯罪や懲戒の経歴、精神疾患、薬物の使用、酒癖、借金やローンの状況などについて厳しい「適性評価」を受けなければなりません。調査は家族や配偶者の家族、親類にまで及び、その氏名、国籍(過去を含む)、住所などが調べ上げられます。このような調査項目自体が、ひどい差別意識をもとに作られており、許し難い人権侵害です。しかも拒否すれば仕事を失うことになりかねないことから、半強制的に調査され、厳しい相互監視のもとに置かれることになります。

 市民が秘密を知ろうとする行為は、たとえその方法が脅迫や暴行などの犯罪行為でなくとも「著しく不当な方法」と認定されれば処罰されます。しかも「共謀」「教唆」すなわち「計画の話し合い」「そそのかし」だけで犯罪に問われることから、マスコミによる取材活動や市民による情報開示の要求、会合での企画なども犯罪とされる危険性があります。「知る権利」や「取材の自由」は「十分に配慮」すると書かれているだけで、何の保証にもなりません。

 こんな法律ができてしまえば、基地押しつけや核持ち込みなど日米密約、原発事故情報や再稼働、消費税と国の予算配分、裏金や談合、無駄な公共事業、警察の不祥事など、政府にとって都合の悪いことが全て「特定秘密」に指定され、市民から隠され、永久に闇から闇へと葬られてしまいます。これは、決して一部の市民活動家だけでなく、全ての市民生活に深く関わってくる深刻な問題です。

 一度特定秘密保護法違反で逮捕されれば、弁護し、無罪を証明することができなくなってしまいます。秘密を漏らせば弁護士でさえ刑罰の対象になり、裁判官も特別の許可がなければ「特定秘密」を知ることができないからです。市民には何が「特定秘密」かが分からないので、警察はウソをついて逮捕したり、誤認逮捕をしても特定秘密だと言い張って有罪にすることも可能です。今でも警察の不祥事や公安のでっち上げ事件が多発しているなか、冤罪の危険がいっそう高まります。

 まさに政府や官僚のやりたい放題、警察が市民を監視し、ものを言えない社会をつくる悪法です。安倍政権は、警察による大規模通信傍受・盗聴器設置等を合法化する盗聴法改悪さえ狙っています。

 特定秘密保護法案は国民主権、基本的人権の尊重、戦争の放棄という憲法の基本原理、民主主義の根幹を侵すものです。憲法改悪を先取りするものです。絶対に成立を許す訳にはいきません。まだまだ市民にこの法案の危険は知らされていません。ここに集まった市民一人ひとりが危険性を訴え、反対の世論と運動を広げ、日本版NSC設置法案とともに、廃案へと追い込んで行きましょう。

2013年11月10日
「何が秘密?それは秘密」 特定秘密保護法を廃案に!緊急集会参加者一同